社会 的 ジレンマ 例。 協力か裏切りか!囚人のジレンマとは?―ビジネス社会心理学

社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで (PHP新書)

社会 的 ジレンマ 例

社会的ジレンマ(social dilemma) とは、個人がそれぞれの利益を求めて行動することによって、社会が不利益を被る場合に生じる葛藤感情のことです。 具体的には、いじめなどの身近な問題から環境問題などのマクロな問題にいたるまで、多様な問題があります。 社会的ジレンマに囚われてしまうと、個人の得る利益ばかりに目がいってしまい、社会生活を送ることが困難になってしまう可能性があります。 そのため、社会的ジレンマに関する理解は、社会を構築していく上でも重要なものとなります。 そこで、今回の記事では、• 社会的ジレンマの意味• 社会的ジレンマの例• 社会的ジレンマと環境問題• 社会的ジレンマの解説策 をそれぞれ解説していきます。 関心のある箇所から読み進めてください。 社会がより発展し、過ごしやすい環境となるような利益(例:犯罪がなく安全な世の中になること・地球温暖化が食い止められること)のこと を指します。 一般的に、「社会全体の利益」を生む行動(例:盗みをしないなどのモラルを守った行動を取ること・環境を守るためにゴミ分別をすることなど)は社会にとっての協力的行動とされます。 多くの人が安心・安全な世界で生活できるようになるためには、 人々の社会への協力的な行動が必要不可欠といえるでしょう。 社会心理学者の山岸俊男は、社会的ジレンマは以下の3つすべてに当てはまる場合に発生しやすいと示しています。 個々人は協力または非協力行動のどちらかを選択する• 個々人にとっては協力行動よりも非協力行動をとる方が望ましい結果を得る• しかし全員が自分にとって有利な非協力行動をとると、そろって協力行動をとる場合よりも望ましくない結果が生起する 山岸俊男 2000 『社会的ジレンマ 「環境破壊」から「いじめ」まで』(PHP新書, p. 17-18)を参照 1-1-3: 社会的ジレンマの起源 そもそも、社会的ジレンマは ヨーロッパの牧草地をヒントに考案された経済学理論の「共有地(コモンズ)の悲劇」の法則から考えられた概念です。 共有地の悲劇とは、羊飼いの話から着想を得た以下のような法則です。 羊飼いたちは、牧草地で自分の羊を育てる• ある日、土地の管理のため、広い共用の牧草地を複数の羊飼いで分け合って使用することになった• 通常、羊飼いたちは自分の羊に牧草をたくさん食べさせて、大きな羊に育てたいと考える• しかし、共有地はたくさんの牧草が生い茂っているとはいえ、もしも羊が無制限に牧草を食べてしまったら、たちまち荒れ果てて草が生えなくなってしう• 共有地を長く使用するためには、それぞれの羊飼いが、羊が牧草を食べ過ぎないように管理する必要がある• ところが、実際、多くの羊飼いは牧草に制限を設けず、羊の気の向くままに牧草を食べさせた• 土地の管理のために共有を始めたというのに、牧草地はたちまち荒地になってしまいました この話から理解できるように、共有地の悲劇とは、 Sponsored Link 2章:社会的ジレンマと環境問題 社会的ジレンマによって解決が妨げられている問題として近年着目されているのは、環境問題です。 たとえば、代表例である地球温暖化は、 私たちが日常的にたくさんのエネルギーを消費することによって引き起こされます。 地球温暖化の危険性は、ニュースとして報じられることもあれば学校教育の一環で教えられることもあり、広く認識されているといえます。 問題提起されたのも一昼夜の話ではありません。 しかし、地球温暖化問題は依然大きな課題であり、年々地球の気温は上昇し続けているという現状があります。 道路には排気ガスを排出しながら自動車が走り、夏の日の商業店舗は肌寒いほどにエアコンが付けられていることも少なくありません。 なぜ、多くの人が環境問題を認識しているにも関わらず、解決に向けての行動がなかなか起こされないのでしょうか? 環境問題の背景に、人々が抱える社会的ジレンマを見てとることできます。 具体的に、 「エアコンの温度管理」についてみていきましょう。 エアコンの温度管理について、社会のためになる行動、すなわち「社会全体の利益」を生む行動は、夏場は28度、冬場は22度というように定められた温度以上にエアコンをかけないこと• しかし、夏場にエアコンを28度に設定していても、なかなか部屋が冷えない状況にあるとき生まれる「素早く部屋を冷やしたい」という欲求は、「個人の利益」を求める感情である このような行為の結果、舩橋晴俊が以下のように指摘する社会的ジレンマに直面する人が多いのではないのでしょうか? 今日の環境問題を見て、我々は、自分で自分の首をしめているのではないかということを直観的に感じている人は多いであろう。 また、ごくあたりまえの市民が、直接的あるいは 間接的に、環境悪化の加害者あるいは共犯者として、環境破壊の過程に巻き込まれている のではないか、という認識も広がりつつある。 舩橋晴俊 1995 「環境問題への社会学的視座 一「社会的ジレンマ論」と「社会制御システム論」ー」環境社会学研究 1 0 , 5-20頁 『 環境社会研究』を参照 社会的ジレンマと環境問題が密接に関わっていることを理解できたと思います。 人々が「社会全体の利益」を意識的に優先させて物事を考えることができるように促すこと です。 長期的な視点でいえば、「社会全体の利益」はあなたにとっても暮らしやすい世の中を作ることに役立つため、いずれは「個人の利益」ともなり得るでしょう。 しかし、 1つ目の「社会全体の利益」を優先させることは極めて 理想主義的です。 訪れるのはいつになるのか分からない「社会全体の利益」を優先させることで、自分自身が不利益を被ることは大いに考えられます。 そこで、社会心理学者の山岸俊男は、社会的ジレンマを解消する2つ目の手段として、 人間の協調心理を利用する方法を提案しています。 山岸は社会的ジレンマに関する以下のような実験をおこなっています。 2人の実験参加者に課題を与え、課題の解決をするにあたって以下の3つの条件を提示する• 2人の実験参加者は、3つの条件の中から最も「自分にとって有益だ」と思う条件をそれぞれ1つずつ選ぶよう指示される 条件1:課題解決の際に、協力しあわなければどちらも500円を得る 条件2:協力しあえばどちらも1000円を得る 条件3:相手が協力して自分だけ裏切れば、自分は1500円、相手は0円を得る 山岸によると、 大半の実験参加者は条件3(非協力行動)を選択したといいます。 ところが、実験参加者に、条件選択の際に 「もう一人の実験参加者はあなたと協力することを決めた」と伝えた場合には、実験参加者は条件2(協力行動)を選択する確率が高くなったそうです。 実験参加者はもう一人の実験参加者の意見に影響された、協調したと考えることができます。 この実験結果から、山岸は、社会的ジレンマによる非協力行動の選択は、人間の協調心理によって解消される可能性を示唆しています。 2つ目の社会的ジレンマ解消法は、 「個人の利益」「社会全体の利益」を基に自分で考えるのではなく、なるべく誰かと同じ答えを示すことといえます。 しかし、同時に、2つ目の社会的ジレンマ解消法にある、次のような点は問題視されるべきです。 学生・勉強好きにおすすめのサービス 一部の書籍は 「耳で読む」こともできます。 通勤・通学中の時間も勉強に使えるようになるため、おすすめです。 最初の1冊は無料でもらえますので、まずは1度試してみてください。 また、書籍を電子版で読むこともオススメします。 Amazonプライムは、 1ヶ月無料で利用することができますので非常に有益です。 学生なら 6ヶ月無料です。 数百冊の書物に加えて、• 「映画見放題」• 「お急ぎ便の送料無料」• 「書籍のポイント還元最大10%(学生の場合)」 などの特典もあります。 学術的感性は読書や映画鑑賞などの幅広い経験から鍛えられますので、ぜひお試しください。 まとめ 最後にこの記事の内容をまとめます。

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社会的ジレンマまとめ前編

社会 的 ジレンマ 例

なぜ「フリーライダー」は問題なのか? フリーライダーは本来「ただ乗り」という意味を持ち、経済学でいうところの「公共財」というある財やサービスを考える時によく扱われるテーマです。 公共財の例としては、消防、警察、国防、放送などがあげられます。 たとえばNHKのテレビ番組は、ある人が見たからといって、別の人が見る機会を奪われることはありません(これを『非競合的』といいます)。 一方で対価を支払わない人が見ないようにすることも困難です(『非排除的』)。 つまり「公共財」とは、「非競合性(ある人の消費によって別の人が消費できる量が減少することはない)」と「非排除性(対価を支払わない人が消費することを排除することはできない)」の、両方の性質を持つ財のことを言います。 ここから派生して、高い給与をもらっているのに仕事をしない上司、手柄を横取りする上司や同僚など、人の成果に「ただ乗り」する人たちもフリーライダーと呼びます。 ある部下が上司からプレゼン資料の作成を頼まれたとします。 部下は、時間をかけて仕上げ提出すると、上司はその資料をそのまま使用。 役員クラスにプレゼンしたところ高評価を受け、部下ではなく自分の成果にしてしまう。 このように、自分は労せずして人の成果を横取りするだけでなく、それで評価を受け報酬を得るような例は、他にもさまざまなケースがあります。 今回は、企業においてなぜフリーライダーが生まれてしまうのか、その原因とよくある事例などについて、詳しく説明します。 「フリーライダー」を社会学やビジネスの現場の事例から読み解く 「コストの負担」を避けたがる人間 近代における市民社会の社会秩序は、個人の思想や行動の自由、個人の自発的な社会参加・協力行動、個人の自己決定と対話(交渉)による合意によって形成されると言われています。 対して、コスト(費用)の負担を避けたがる『人間のエゴイズムの本性』を理由にこれを批判したのが、社会学者のM. オルソン(M. Olson)氏です。 オルソン氏は、「個人主義(個人単位で物事を判断する)」「自由主義(他者の権利侵害をしなければよい)」「功利主義(結果としての利益)」によって形成される近代市民社会の秩序を壊してしまうリスク要因として『フリーライダー問題』を取り上げました。 フリーライダーは『経済的・時間的・労力的なコスト(費用)を支払わずに、社会政治システムの恩恵だけを受け取ろうとする人』を指しています。 個人が自分の利益を追求することを最優先するのを良しとする社会であれば、投票や環境保護(ゴミ問題)、ボランティア活動(社会福祉活動)、正直な納税などの社会貢献につながる公的な問題で『コストを伴う協力行動』よりも『コストを負担しない非協力行動』を取りやすい傾向が一般的です。 必要な情報提供や教育活動、宣伝広報、学習などの啓蒙によって、協力行動を選択する個人は若干増やすことはできますが、個人主義(自由主義)と功利主義だけを前提にすれば、『社会の共同性・協力の必要性』を認識していても、フリーライダーは増加する傾向にあるのです。 自分自身が、経済的・時間的・労力的なコストを支払わなくても、社会全体の活動や政治から生まれる恩恵だけを受け取りやすく、自分がコストを支払わないことにデメリットがなければ、大半の人は、進んでコストを支払いたがらないものです。 「フリーライダー」が社会の中で、また組織の中で一定数発生するのは必然のようにも思えますが、日本の企業を例に挙げると、そもそも日本特有の事情でフリーライダーを生み出している現状もあります。 たとえば、さまざまなメディアで問題となっている「残業代未支給」などは、企業の側も、成果に対する正当な評価をしていないことの顕著な例でしょう。 こういった組織では「努力しても報われないなら努力する必要を感じない」という「学習性無力感」などが蔓延しやすくなり、ひいてはフリーライダーの誕生につながります。 「囚人のジレンマ」から読み解くフリーライダー 「囚人のジレンマ」とは、ゲームの理論における重要な概念の一つです。 囚人のジレンマとは、2者が協力したほうがお互いに良い結果になることがわかっていても、1者が得をして他者が損をする状況の場合には、協力しなくなることです。 個人が自らの利益を追求している限り、必ずしも全体の合理的な選択に結びつくわけではないことを意味しています。 NHK料金が払われない理由を囚人のジレンマから考える NHKの電波は公共財です。 誰が受信しても減りませんし、料金を支払わないからといって特定の家だけ受信できないようにすることもできません。 ここで、NHK料金が払われない理由を囚人のジレンマを使って考えてみましょう。 ここでは、国民がAとBの2人だけと仮定します。 両者が料金を支払うと、どちらもNHKの番組を見ることができます。 1人が料金を支払い、もう1人が支払わない場合、NHKが組織として運営していくためには、2倍の料金が必要となります。 番組はどちらも見ることができますが、それなら払わない方がよいとAもしくはBが判断するケースも出てくるでしょう。 出典元 さらに、2人とも料金を支払わない場合、NHKは収入が無くなることで番組の質が低下。 最悪、倒産の危機に直面することもあるでしょう。 この場合、2人とも良質な番組が見れなくなるという事態に陥ります。 こうなると、相手が支払うのであれば、自分は支払わない=ただ乗りする方が得であるし、相手が支払わない場合も「相手の料金まで払うくらいなら番組を見ないでよい」という思考になり、いずれの場合でも、支払わないことがもっともマイナスにはならないことになります。 ビジネスシーンにおける「フリーライダー」の事例 多くの組織でみられるただ乗り社員=フリーライダーの典型的な例をいくつかご紹介します。 1.アガリ型 代表例:一丁上がりベテラン系社員• 年功序列などの組織特性によって、役職的にはある程度のレベルまで出世している。 自分から仕事を探さない(作らない)。 どうしてもやらざるをえない仕事のみ、最小限だけ取り組む。 批評はするが、自らは動かず、責任が発生する事象は回避する。 新しい業務のやり方を覚えない。 既存業務も、ただ他の人に任せるだけで仕事をした気になっている。 スピードが遅い。 出典元『週刊ダイヤモンド 8月28日号「解雇解禁 タダ乗り正社員をクビにせよ』32ページ「あなたの隣のタダ乗り社員」 会社勤めをすごろくに例えて「(部長など)一定の階級まで昇格したからアガリである」と考えている社員のことです。 アガリ型になるのはベテラン社員であり、現在の階級に満足しているために職務を部下に任せて自分は好きなことをするなどの特徴があります。 部下が報告などのコミュニケーションを図ろうとしても、部下の粗探しや否定を行うだけで、部下のやる気を削ぐ上司とも言えます。 当然のことながら、部下とのコミュニケーションがうまくいかず、部下は悩みを一人で抱え、抱えきれなくなることで離職などにも繋がります。 新しいことへのチャレンジも、失敗を恐れている(現在の階級を手放したくない)ために、行うことはほとんどありません。 第2.成果・アイデア泥棒型 代表例:人の手柄横取り系社員• 個人主義的なのに、自分で考えずに、安易に人に頼る。 自分のために使える人は徹底的に使う。 人が上げた成果を、さも自分の成果のように持っていく。 手伝ったり、時間を使ったりしてもらっても、感謝しない。 自分のほうが優位な相手には、威張った態度を取る。 自分よりも上の者に対しては忠犬のようになる。 自分の時間にはケチだが、人の時間を奪うことは平気である。 出典元『週刊ダイヤモンド 8月28日号「解雇解禁 タダ乗り正社員をクビにせよ』32ページ「あなたの隣のタダ乗り社員」 成果・アイデア泥棒型は、契約社員や派遣社員といった立場の弱い人を抱えている正社員など、若手や中堅社員に多いタイプです。 自分ではアイデアや成果を出さないのに、さも自分のアイデアや成果であるかのようにアピールすることがうまく、自分の手柄にしてしまうタイプです。 他人の協力を踏み台にするのと同時に、他人の業績を自分のものにしようとするため「アレオレ詐欺社員」とも呼ばれます。 自分がやってもいない手柄を「アレ俺がやったんだよ」と言って横取りするタイプです。 他人の協力や業務に依存するのに対して、本人は「個人主義」であると考えているため、一方的なコミュニケーションとなりがちです。 第3.クラッシャー型 代表例:自分の実力勘違い系社員• 自分は「できている」と思っている。 自分の仕事ぶりに関して悪い面を認めようとせず、自分に都合よく物事を解釈する。 自分にとって都合の悪いことは記憶がすり替わっている。 人とこだわる箇所が違い、そこに固執する。 自分に厳しいフィードバックをする人に対して攻撃的になる。 自分に対してはナイーブだが、人の感情には鈍感である。 真剣にかかわった人を振り回して消耗させる。 出典元『週刊ダイヤモンド 8月28日号「解雇解禁 タダ乗り正社員をクビにせよ』32ページ「あなたの隣のタダ乗り社員」 クラッシャー型は、自己過信が大きく、人への態度が横柄・攻撃的なタイプです。 自分は出来ると思いこんでいるが、スキルや成果などがなかったり、実力があっても仕事の仕方が合っていない、入社歴の浅い社員や市場の変化に対応できていない(古い仕事のやり方にこだわる)ベテラン社員に多いタイプです。 注意をすると「自分は優秀で頑張っているのに成果が出ないのは、周囲や環境が悪い」などと逆ギレを起こすこともあるため、無用なトラブルを避けるために注意すらされなくなるパターンです。 当然のことながら、コミュニケーションが非常に難しいです。 第4.暗黒フォース型 代表例:相手のやる気削ぎ達人系社員• 少しでも自分の負担が増えたり、面倒くさくなるような仕事の案に対しては、批判と揚げ足取りをしてつぶし、自分に降りかからないようにする。 協力が必要な場面でも「それはうちの問題ではない」「僕の仕事ではない」と言って拒否する。 部下が仕事の改善案を持ってきても放置。 結論を催促されたら理由も述べずに「不採用」と通知。 理由を尋ねられると「あれじゃダメだろ」と理由にならない理由で跳ね返す。 ほめない、長所を見ない、短所をねちっこく攻める。 出典元『週刊ダイヤモンド 8月28日号「解雇解禁 タダ乗り正社員をクビにせよ』32ページ「あなたの隣のタダ乗り社員」 暗黒フォース型は、現状維持を最優先するために、業務負担が多い業務や失敗のリスクがある業務の「できない理由」を探すタイプです。 自分の業務だけでなく、部下の提案などにも責任を負いたくないため「できない理由」を探して部下を否定します。 頑張ろうとしている従業員は無力感を覚えることとなり、映画「スターウォーズ」の「ダークサイド」に引き込むような行動になぞらえて、暗黒フォース型と言われています。 グローバル化などで激動する市場へ対応しようとする組織にとっては、見えない敵となります。 部下や同僚などを平気で巻き込むだけでなく、自分のためであれば仲間を裏切ることにも抵抗がないため、多くの従業員に悪影響を与えます。 結果、組織としての行動が遅くなり、競合他社などに遅れを取るなども起こりえます。 奥深い「フリーライダー問題」には長期的かつ戦略的に対応するべし 「フリーライダー」のテーマは、経済学や社会学などでも昔から大きな問題として扱われています。 フリーライダーが生まれてしまう原因やメカニズムはさまざまですが、人間の根本的な本能の部分が引き金になることも少なくなく、そのため一度発生すると、解消することは簡単ではありません。 組織内のフリーライダーに関して説明すると、適正な評価ができていない場合やコミュニケーション不足など、フリーライダーを発生させてしまう土壌をおのずから作っているケースも少なくありません。 自分や自分が属する組織でフリーライダーと共通する特徴がないか、今回の事例なども参考にして、じっくり分析してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

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ジレンマの意味とは?語源は?社会的ジレンマの例やトリレンマも!

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集団の種類 基礎集団 自生的な集団(家族など) 機能集団 特定の目的を果たすための人為的な集団(企業や政党など) 準拠集団 マートンらによって理論化された準拠集団は、個人が同調及び比較の基準として自分自身を関連づける集団のことで、所属したいと願う集団であったり、他人の評価する際の基準になるような集団が該当します。 なので、その集団に所属していなくても準拠集団になりえます。 たくさんの人(集団)がもっているからほしいとか、これも準拠集団です。 準拠集団はときどき出題されますので覚えておきましょう。 そして基礎集団と機能集団については様々な学者が別の呼び方で集団を分類しています。 ただし、その本質は基礎集団と機能集団ですので、同じくくりで覚えましょう。 基礎集団と機能集団 テンニース マーキーバーは基礎集団のことをコミュニティ、機能集団のことをアソシエーションと呼んだのですね。 ただし、テンニースは家族をゲマインシャフト、クーリーは家族を第一次集団に含めていますが、マッキーバーは家族をアソシエーションとしている点に注意してください。 基礎集団 機能集団 テンニース ゲマインシャフト (家族、村、都市) ゲゼルシャフト (大都市、国、世界) クーリー 第一次集団 (親密な家族、仲間) 第二次集団 (利益や関心、意図的な社会) マッキーバー コミュニティ (村、町、都市、国、地球) アソシエーション (家族、学校、社会) ホーソンの実験 1924~1932年にかけてアメリカのウエスタン・エレクトリック社ホーソン工場で行われた実験です。 企業や大学、財団らが企画した大規模なプロジェクトでした。 ホーソン実験では、工場作業員に集団で配線やハンダづけの作業をさせたところ、作業員はそれぞれに生産高を制限し、集団独自の標準作業量を決めてしまいました。 作業員は仕事を通じて独自の人間関係を自然発生させ、インフォーマル・グループを形成していることが分かりました。 これは会社などのフォーマルな規律よりも、職場の人間関係など、インフォーマル・グループの統制力に従う傾向があるということです。 フォーマルグループ:企業や官庁のような一定の目的のために成文化された規則と命令系統を持つ組織 インフォーマルグループ:趣味や性格によって非公式に組織、または自然発生的に生まれた非公式の団体 集団の傾向 集団浅慮 集団で議論することによって、かえって深く考えずに決定がなされてしまうような現象のことです。 「集団の凝集性」が高いと集団内で意見を一致させようという動機付けが集団浅慮を引き起こします。 つまり集団を構成するメンバー同士が親密であると、反対意見をいう人が少なくなり熟考しなくなることです。 社会的手抜き 単独で作業するよりも集団で作業する方が、一人当たりの作業量が低下する現象のことです。 会議の参加人数が多いと誰かが発言するだろうと考えて自分は発言しないとか。 思い当たる節がありますね。 集団浅慮と似ていますが、これも集団になることによる悪い影響です。 社会的促進と社会的抑制 単純な課題では他者の存在が社会的促進をもたらし、複雑な課題では逆に社会的抑制をもたらします。 つまり集団になると、単純な作業をする場合にはみんなでせっせと単純作業を効率よく進められるのに対して、複雑な作業になると非効率になってしまいます。 確かに単純な農作業などは人が多いとヤル気が出て捗りますが、複雑な作業は人が多いと集中できず作業効率が落ちますね。 コーシャスシフトとリスキーシフト コーシャスシフトとは、集団討議などで安全志向の結論が得られやすくなることです。 リスキーシフトとは、その逆で集団討議などで極端な意見や危険志向を増大させ過激になることです。 どちらも経験的によくわかります。 同調 集団において多数派の意見や期待に合わせて個人の意見や行動が変化することです。 社会的ジレンマ 集団メンバーの多くが個人的利益を追求した行動をとることで集団全体にとって不利益になることです。 共有地の悲劇 資源へのアクセスが不特定の人に平等に開かれているために起こる破綻のことです。 例えば、誰もが利用可能な牧草地は一定数の牛なら生産が持続可能ですが、収容限界を超えると牧草が枯渇して牛が死んでしまいます。 共有地では持続可能性より目先の利益が優先されるため、牧草地が荒廃すると利用者全員が不利益を被るのに、目先の利益に走ってしまう事を共有地の悲劇と呼びます。 囚人のジレンマ 2人の容疑者から別々に聞き取る時に、容疑者はそれぞれ相手の行動を予測しながら自分の利得が最大になるような行為を選択し、その結果自白に追い込まれるというものです。 警察が複数の容疑者を事情聴取をするときに別々に行うのは、別の容疑者が自白するかもしれないと考えながら、自分が自白した方が得なのか損なのか葛藤し、結果的に全員が自白することを選択するというジレンマです。 フリーライダー いわゆる「ただ乗りする人」のこと。 非協力的だったりコストを負担せず利益を得ようとする人のことです。 過去問 第28回 問題19 社会集団に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。 1 ゲマインシャフトとは、本質意思に基づく結合が解体した、近代以降の社会集団である。 2 インフォーマルグループとは、メンバーの親密な相互関係を通じて形成される集団である。 3 第一次集団とは、家族や親族などの第二次集団とは異なる、会社や学校などの社会集団である。 4 コミュニティとは、特定の関心を共同して追求するために設立された、人為的な機能集団である。 5 アソシエーションとは、地理的・文化的な地域性を結合要素とした社会集団である。 1 ゲマインシャフトとは、本質意思に基づく結合が解体した、近代以降の社会集団である。 間違いです。 ゲマインシャフトは家族や村など、愛情や相互理解など人間の本質意志によって結びついた自然的な集団のことです。 2 インフォーマルグループとは、メンバーの親密な相互関係を通じて形成される集団である。 これが正解です。 3 第一次集団とは、家族や親族などの第二次集団とは異なる、会社や学校などの社会集団である。 間違いです。 第一次集団とは、家族、子どもの遊び仲間、近隣集団など直接的つながりと親密な関係が存在する集団です。 4 コミュニティとは、特定の関心を共同して追求するために設立された、人為的な機能集団である。 間違いです。 コミュニティとは、地域に根差して自然発生した共同生活体です。 人為的な集団ではありません。 5 アソシエーションとは、地理的・文化的な地域性を結合要素とした社会集団である。 間違いです。 アソシエーションとは、特定の関心の充足や目標達成のために人為的に組織された集団です。 第31回 問題19 社会集団に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。 1 第一次集団とは、ある特定の目的のために人為的に作り出された組織である。 2 フォーマルグループとは、企業や官庁のような一定の目的のために成文化された規則と命令系統を持つ組織である。 3 ゲゼルシャフトとは、相互の感情や了解に基づく緊密な結び付きによる共同社会である。 4 準拠集団とは、共同生活の領域を意味し、典型的な例は地域社会である。 5 コミュニティとは、特定の共通感心を追求するために明確に設立された社会集団である。 1 第一次集団とは、ある特定の目的のために人為的に作り出された組織である。 間違いです。 第一次集団とは、家族、子どもの遊び仲間、近隣集団など直接的つながりと親密な関係が存在する集団です。 2 フォーマルグループとは、企業や官庁のような一定の目的のために成文化された規則と命令系統を持つ組織である。 これが正解です。 3 ゲゼルシャフトとは、相互の感情や了解に基づく緊密な結び付きによる共同社会である。 間違いです。 大都市や国など、利害や打算などの選択意志に基づいて形成される、企業や大都市、国家などの人為的な集団でえす。 4 準拠集団とは、共同生活の領域を意味し、典型的な例は地域社会である。 間違いです。 個人が同調及び比較の基準として自分自身を関連づける集団のことで、所属したいと願う集団であったり、他人の評価する際の基準になるような集団が該当します。 5 コミュニティとは、特定の共通感心を追求するために明確に設立された社会集団である。 間違いです。 コミュニティとは、地域に根差して自然発生した共同生活体です。 第28回 問題20 社会的ジレンマに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。 1 企業などで生産された財やサービスが貨幣換算されないために、国家のGDPに含まれないことを「外部不経済」という。 2 犯罪容疑者である共犯者が、逮捕されていない主犯者の利益を考えて黙秘する結果、自分が罪をかぶることを「囚人のジレンマ」という。 3 社会にとって有用な資源へのアクセスが特定の人に限られていることを「共有地の悲劇」という。 4 ある財やサービスの対価を払うことなく、利益のみを享受する人のことを「フリーライダー」という。 5 協力的行動の妨害に与える報酬のことを「選択的誘因」という。 1 企業などで生産された財やサービスが貨幣換算されないために、国家のGDPに含まれないことを「外部不経済」という。 間違いです。 外部不経済とはマーシャルが提唱した概念で、経済活動の費用や便益が取引当事者以外に及ぶことを指します。 2 犯罪容疑者である共犯者が、逮捕されていない主犯者の利益を考えて黙秘する結果、自分が罪をかぶることを「囚人のジレンマ」という。 囚人のジレンマは、逮捕されていない主犯者の利益を考えるのではなく、自分の利益を考えて自白してしまうことなので間違いです。 3 社会にとって有用な資源へのアクセスが特定の人に限られていることを「共有地の悲劇」という。 間違いです。 共有地の悲劇は、有用な資源へのアクセスが誰にでも可能な状況で、不合理な行動を選択してしまうジレンマのことです。 4 ある財やサービスの対価を払うことなく、利益のみを享受する人のことを「フリーライダー」という。 これが正解です。 5 協力的行動の妨害に与える報酬のことを「選択的誘因」という。 間違いです。 個人が集合財の供給に貢献したか否かに従って個人に選択的に適用されるものが選択的誘因です。 第32回 問題20 次のうち、「社会的ジレンマ」に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。 1 合理的な仕組みに対して過剰な執着を持つ状況を指す。 2 一定期間、閉鎖的・画一的に管理された場所で生活する状況を指す。 3 協力し合うことが互いの利益になるにもかかわらず、非協力への個人的誘因が存在する状況を指す。 4 二つの矛盾した命令を受けているため、そのいずれも選択することができない状況を指す。 5 非協力的行動を行うと罰を受け、協力的行動を行うと報酬を得ることで、協力的行動が促される状況を指す。 選択肢3がズバリ正解です。 第30回 問題11 集団における行動に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。 1 社会的ジレンマとは、集団的な討議を行うことによって、より安全志向な結論が得られやすくなることをいう。 2 ピグマリオン効果とは、集団において多数派の意見や期待に合わせて、個人の意見や行動が変化することをいう。 3 傍観者効果とは、緊急的な援助を必要とする場合であっても、周囲に多くの人がいることによって、援助行動が抑制されることをいう。 4 同調とは、他者の存在によって作業の効率が向上することをいう。 1 社会的ジレンマとは、集団的な討議を行うことによって、より安全志向な結論が得られやすくなることをいう。 2 ピグマリオン効果とは、集団において多数派の意見や期待に合わせて、個人の意見や行動が変化することをいう。 これはピグマリオン効果ではなく同調の説明です。 3 傍観者効果とは、緊急的な援助を必要とする場合であっても、周囲に多くの人がいることによって、援助行動が抑制されることをいう。 これが正解です。 4 同調とは、他者の存在によって作業の効率が向上することをいう。 これは社会的促進の説明なので間違いです。 これは社会的ジレンマの説明です。 第29回 問題122 集団のパフォーマンスに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。 1 リーダーを中心にまとまりの良い集団では、集団浅慮は起きない。 2 社会的手抜きは、集団の作業では発生しない。 3 社会的促進は、複雑で不慣れな課題遂行時に起こる。 4 グループ間のコンフリクトは、あるグループが他のグループに対して優位に立とうとするときに生じる。 5 チームでメンタルモデルが共有されていると、チームのパフォーマンスが減退する。 1 リーダーを中心にまとまりの良い集団では、集団浅慮は起きない。 まとまりの良い集団ほど集団浅慮が起きますので間違いです。 2 社会的手抜きは、集団の作業では発生しない。 違います。 社会的手抜きは集団の作業でこそ発生します。 3 社会的促進は、複雑で不慣れな課題遂行時に起こる。 違います。 社会的促進は単純な課題遂行時に起こり、複雑な課題遂行時に起こるのは社会的抑制です。 4 グループ間のコンフリクトは、あるグループが他のグループに対して優位に立とうとするときに生じる。 コンフリクトは「紛争」「衝突」という意味です。 正しいです。 5 チームでメンタルモデルが共有されていると、チームのパフォーマンスが減退する。 チームでメンタルモデルが共有されていると、チームのパフォーマンスは向上しますので間違いです。 第30回 問題20 次の記述のうち、「共有地の悲劇」に関する説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。 1 公共財の供給に貢献せずに、それを利用するだけの成員が生まれる状況を指す。 2 協力してお互いに利益を得るか、相手を裏切って自分だけの利益を収めるか、選択しなければならない状況を指す。 3 他の成員の満足度を引き下げない限り、ある個人の満足度を引き上げることができない状況を指す。 4 それぞれの個人が合理的な判断の下で自己利益を追求した結果、全体としては不利益な状況を招いてしまうことを指す。 5 社会全体の幸福度が、諸個人の快楽から苦痛を引いた後に残る快楽の総計と一致する状況を指す。 1 公共財の供給に貢献せずに、それを利用するだけの成員が生まれる状況を指す。 これはフリーライダーのことなので間違いです。 2 協力してお互いに利益を得るか、相手を裏切って自分だけの利益を収めるか、選択しなければならない状況を指す。 これは囚人のジレンマの説明なので間違いです。 3 他の成員の満足度を引き下げない限り、ある個人の満足度を引き上げることができない状況を指す。 これは相対的剥奪の説明なので間違いです。 4 それぞれの個人が合理的な判断の下で自己利益を追求した結果、全体としては不利益な状況を招いてしまうことを指す。 これが正解です。 5 社会全体の幸福度が、諸個人の快楽から苦痛を引いた後に残る快楽の総計と一致する状況を指す。 これは快楽計算の説明です。 快楽計算はベンサムが開発した指標で、個人と社会全体の「最大多数の最大幸福」の実現状態を計量化して判定する、現在用いられている幸福度調査の原点になっている指標です。 第31回 問題21 次のうち、「フリーライダー」に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。 1 他者からの矛盾した命令を受け取ることで身動きがとれない者 2 自分の利益を得るために他者を裏切ることを選択する者 3 他者との比較で剥奪感を抱いている者 4 自ら負担することなく集合財を享受する者 5 自分の効用を引き上げるために他者の効用を引き下げる者 フリーライダーは「ただ乗りする人」のことです。 そのままですね。 ということで選択肢4が正解です。

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