首都 圏 中学 入試。 入試カレンダー

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首都 圏 中学 入試

2019-04-01 中学入試受験者数、顕著に増加 2月18日(月)東京都内のアルカディア市ヶ谷私学会館において、(株)森上教育研究所(森上展安代表、東京都千代田区)主催「2019年入試 首都圏中学入試の結果と分析」セミナーが開催された。 セミナーの冒頭は、ゲストによる「教育 VS.AI」をテーマにした15分間のプレゼンテーションが行われ、第1講では今春の中学入試問題はどのように変化したのかを最新の資料で考察。 さらに第2講では、「大手塾分析」のゲストスピーカーにサピックス・広野雅明氏と早稲田アカデミー・千葉崇博氏に加え、今年は日能研関東から長谷川信誓氏を迎えて入試実態に迫った。 「教育 VS.AI」プレゼンテーション [上] 大迫弘和 氏 [下] 前刀禎明 氏 冒頭の「教育 VS.AI」をテーマにプレゼンテーションを行ったのは、国際バカロレア(IB)教育の第一人者で武蔵野大学教育学部教授の大迫弘和氏と元アップル日本法人社長で実業家の前刀禎明氏。 「50年前にスイスで誕生した国際バカロレアは、国際的な人材を育成する最も完成されたカリキュラムと言われ、我が国で政府が動き出したのは2013年になります」と語る大迫氏。 そんな大迫氏が強調するのは、芸術教育の重要性だ。 「AIが世界を覆っていくだろう状況の中、教育の使命が明らかになっています。 それは芸術教育により内面的空間への回帰を促していくことです。 『教育にアートを』というムーブメントを起こしたいと思っています」 前刀氏は「ものの見方」という観点からプレゼンテーション。 世界経済フォーラムは、社会に出て必要なビジネススキルを提案しています。 それを高めるのが、「クリエイティブインテリジェンス」。 前刀氏らが開発したアプリでは、このクリエイティブインテリジェンスを磨くことができるとのことだが、それは5つの力で成り立っているという。 「目の前にあるものをよく観察し、そこにいろいろな可能性を考え、自問自答する。 そして思いついたことを実際にやってみる。 そうすると自分が考えたこととは違うこともある。 さらに、そこでとどまらずに自分とは違う視点をもった人、自分とは違う考え方を持った人に相談をしてみる。 一番重要なのが、発見したことを創造的に関連づける力です。 なぜ今このような話をしているかというと、ご自分の、そして子どもたちの、長い人生の中で自ら『成長』していく力を身につけてほしいからです。 言い換えると、ご自分の、そして子どもたちの無限の可能性をどう伸ばしていくかを考え、実践していただきたいと思います」と、前刀氏は述べる。 第1講 私立有名中学2019年入試問題4教科分析 [上] 神尾雄一郎 氏 [下] 竹内洋人 氏 「文章をまとめる」「自分の考えを述べる」等の問題が増加した「国語」 国語の中学入試の考察と分析を行ったのは、神尾雄一郎氏(株式会社ジーワンラーニング代表、NPO法人ロジケーション・ジャパン理事、開成中高弁論部監督)。 今年の首都圏中学入試では、特徴的なものとして、以下のような出題があった。 (A)「授業において生徒が学習する場面を想定した」問題(芝浦工大柏 一回 三・問二) (B)「テクスト全体の構成や展開、表現の仕方等を評価する」能力を測る問題(豊島岡女子 第1回 二・問八) (C)「情報を編集して文章にまとめる」能力の評価に関わる問題(世田谷学園 第1次 問十一(2)) (D)図表などをもとに、複数の情報を統合し構造化して考えをまとめる」能力を測る問題(春日部共栄 第二回午後四・問一・問二) (E)「テクスト全体の要旨を把握する」能力を測る問題(公文国際学園中等部 A日程 3・問2) (F)「テクストの精査・解釈を踏まえた自分の考えの形成」能力の評価に関わる 問題(吉祥女子 第1回 二・問八、フェリス女学院 [2]・問5、雙葉 一・問 二十一) (G)「テクストを踏まえ、条件として示された目的等に応じて、必要な情報を比較したり関連付けたり」する能力を測る問題(灘 一日目 一・問6、城北埼玉 第1回 二・問9、西南学院 二・問7) このうち(A)(B)は「平成31年 大学入試センター試験 国語」でも出題されている。 「今後は契約書や議事録といった実用的な文章を題材にした問題が増えていくのではないかと思います」と神尾氏は予測する。 「なぜ成り立つのか」という本質を問う問題が多かった「算数」 算数の考察と分析を行ったのは、竹内洋人氏(みんなの算数オンライン主宰、算数オリンピック大会問題選定委員)。 今年の傾向として、点数の取れる問題と取れない問題がはっきりしていて、大学入試改革の影響か、分野横断的な問題、長文問題、会話型・手順穴埋め型で知識不要の問題解決過程を問う問題が多く見られた。 ただしこれらの問題が合否に影響はしていないと考えられるという。 また、立体切断問題が上位校のみならず、幅広く出題されたという。 「立体切断問題は難しいですが、トレーニング次第で安定的な得点源に得ます」と竹内氏は語る。 一方で、丸覚えの知識や解法で解ける問題も相変わらず多いという。 しかしその知識や解法が「なぜ成り立つのか」、「本質を理解しているかどうか」を問題も多く見られた。 丸覚えの知識や解法が役に立たないわけではないが、差がつくのはその一歩先。 問題設定はどこかで見たことがあるが、「問いが新しい」という問題も多かった。 合格者平均点の変化をみると、開成は昨年の86. 9%から今年は76. 0%にダウンし、10. 9%の難化。 大問4の長文問題以外は比較的オーソドックス。 開成特有の面倒で複雑な計算はない。 豊島岡女子は74. 0%から66. 9%にダウンし、7. 9%の難化。 問題難易度の差が大きく、ミスができない。 立体切断問題は難しいが理解しておきたい。 浅野は76. 9%から84. 8%にアップし、7. 9%の易化。 3年連続の易化で、過去5年で最も高い。 〝標準的な問題を正確に解く力〟を磨くことが最優先とのこと。 鷗友は56. 7%から72. 2%にアップし、15. 5%易化した。 昨年、一昨年と比べるとシンプルな問題構成になっている。 浦和明の星は75. 4%から82. 8%にアップし、7. 4%易化した。 難問はないものの、この問題構成で82. 8%も取るのはすごいこと。 こういう力がやはり必要だ。 受験する・しないにかかわらず、演習に取り入れたい良問揃い。 桜蔭は、最後大問4が難しく、実質的には1枚目の大問1、2が合否を分けたかもしれない。 ただし、得点できそうでできない厳しい内容。 女子学院は、例年であればパッと見て解けそうな問題があるはずだが、今年はそのような問題がない。 かなり平均点が下がり、算数では差がつかなかったのではないかと思われる。 「定番問題だけれども正答率が低い問題が合否を分けていて、今後もこの傾向は続くのではないかと思います。 公式や解法テクニックを覚えるだけでなく、『なぜ成り立つのか』という本質を理解しましょう。 そういう問題が出ています」と竹内氏は語る。 資料の読み取り、時事問題等が増加した「理科」 [上] 古谷広高 氏 [下] 早川明夫 氏 理科の考察と分析を行ったのは、古谷広高氏(JESDA/日本教育システム開発協会)。 今年は全体の傾向として4分野(生物・地学・化学・物理)まんべんなく出題されているが、なかでも生態系・食物連鎖、天体・大地、力学、水溶液がよく出題されているという。 出題内容の傾向は、資料分析、グラフの読み取りなど、適性検査型と呼ばれるような問題が上位校で出題されている。 また、身の回りのものを題材にした問題が多く出題されている。 古谷氏が注目した学校や問題は、まず麻布の大問2。 コーヒーに関する問題で、身近なものを科学的にとらえる問題だ。 しっかりとリード文があるので、情報を整理できれば解くことができる。 駒場東邦の大問4は、小笠原諸島の在来種と外来種の交配に関する問題。 在来種を守る取り組みを考える問題などは、これまでに適性検査で出題されている。 開成は、例年に比べ、資料の読み取りに関する問題が増加している。 このような問題に対する指導方針は、まずは基本事項の確認、各分野の定番問題の習得だ。 知識だけでなく、その背景までとらえることが重要だ。 身の回りにあるものを科学すること。 すなわち身の回りにあるものの原理や仕組みを考えること。 そして、グラフについての理解を深める。 理科でよく出題されるグラフを学ぶだけでなく、各グラフの適性、読み取り、作成まで学ぶ。 自分でグラフを描けるようにしておくことも大切だ。 時事問題は多いので、火星の接近、月食、流星群、地震、火山の噴火、異常気象(台風、豪雨など)、生態系(絶滅危惧種、在来種と外来種)、遺伝子など、その年に起こった出来事はしっかりとおさえておくこと。 実験データの分析・考察、思考力を要する問題は、フローチャート、マトリクス、同型整理など思考を整理するものを身につけておくと役に立つ。 「中学受験のみならず大人になったときも非常に有効な力となります。 整理することを知っておけば、覚えるときに分類して圧縮して覚えることができるので、実はそれほど覚えることはないことがわかります。 日本語をしっかり読み取れるかどうかがカギになってきます」と、古谷氏は述べる。 昨年に引き続き易化、標準化した「社会」 社会の考察と分析を行ったのは、早川明夫氏(文教大学)で、共学校61校、男子校41校、女子校36校、計138校を分析した。 全般的な出題傾向は昨年に引き続き易化、標準化の傾向にあるという。 「138校を分析して改めて感じたことは、国語の力が問われるということです。 問題自体は基礎基本が大半ですが、用語の意味が正確に把握されていないと解けません」と述べる早川氏。 選択肢問題で解答を複数にしたり、解答数を示さなかったりする問題形式が増加している。 例えば「正しいものを2つ選 び、記号で答えなさい」「誤っているもの(正しいもの)をすべて選び、記号で答えなさい」など。 「よりよい働き方を実現するために、雇われて働く人同士が自分たちで作る組織を何といいますか。 また、資料の読み取り問題が増加傾向にある。 圧倒的に統計資料が多く、特に新規作成の資料が増加している。 さらに、記述問題の大半は原因・理由を問うものとなっている。 時事問題は多い。 直接的な出題も多いが、時事問題を切り口、ないしは念頭においた出題が増加傾向にある。 入試対策としては、何よりも子どもの「はてな?」を大切にすること。 「はてな?」から」「なるほど」へ。 「はてな?」「なぜ?」「どうして?」を念頭に教科書や本を読むこと。 「なぜ名字や地名は漢字2文字が多いか?」など、身近なもの、当たり前といわれていることにも疑問を持って、様々な視点(立場)から考える。 さらに、歴史を知ると「モノの見方や考え方」が変わるので、歴史を知ること。 絶えず社会のアンテナを張り、小学校の教科書を精読することも重要とのことだ。 第2講 受験生動向からみた今春入試 大手3塾分析 [上] 広野雅明 氏 [下] 千葉崇博 氏 [男子校] サピックス/広野雅明 氏 (広報・企画部部長、小学部) 2月1日の入試では特に男子が昨年よりも大きく増え、午後入試も積極的に受ける子どもが増えた。 その影響として2月2日の受験では、1日に受けた学校に合格したときは、出願したにもかかわらず受験しなかった子どもが結構いる。 そして1日あけて3日に再チャレンジする。 どの学校も、昨年に比べて午後入試の受験率が高まっている。 【麻布】上位の人数が増え、そこが激戦になっている。 【海城】昨年より上位の生徒が受験。 試験問題が非常に難しかった。 【早稲田】志願者は減ったが、難易度はまったく下がっていない。 【栄光】今年は激戦だった。 【本郷】試験問題が難しかった。 年々難化している。 【浅野】試験問題が非常に難しかった。 【明大中野】サピックス生では受験者が急増。 難易度が高くなっている。 サピックス小学部を卒業する小6生のうち、約5%の子どもたちが小1から通塾。 4%が小2から、小3からが昨今増加し約30%を占めている。 小4からが前半と後半合わせて47%、小5からは10%強、小6からは今や3%ほどになっている。 「中学受験というのは、お子さんにとってもご家庭にとっても相当大変なことでございます。 ただしその努力をしたという事実こそが一番お子さんを成長させると思います。 学校様は、こういったお子さんの努力の成果が反映できる入試問題を作成していただきたいと思います」 [女子校] 早稲田アカデミー/千葉崇博 氏 (教務本部 副本部長 兼 中学受験部長) 早稲田アカデミー生の特徴として、2月1日の午前受験した生徒のおよそ45%、半数近い生徒が午後受験をしている。 中学受験者数は増えていて、女子校も受験生が戻っているとはいわれているが、やはり共学校に押されていると思われる。 2019年の出願校数は平均7. 09校で、受験校数は5. 23校。 受験校数は昨年と同じだが、増え続けている。 受験校数を押し上げる要素は、午後受験率が高まったことと、埼玉・千葉居住者の東京校・神奈川校の受験率が高くなり、88. 6%に上がったことが挙げられる。 昨年(2018年)は82. 4%、一昨年(2017年)は77. 3%、2016年は75. 5%だったので、近年急激に東京校・神奈川校の受験率が高くなっているのがわかる。 2月1日午前入試の女子校についていえば、吉祥女子の受験者数が相当多くなっている。 吉祥女子に限らず、人気を集めている学校はぐんぐん受験者数を伸ばしているが、一方では生徒集めに苦しんでいる学校もあり、二極化傾向がみられる。 公立中高一貫校の中でも人気上昇中の学校があるが、女子は小石川、三鷹、相模原の受験者数が伸びている。 特に上位の私立女子校は生徒が奪われかねないので意識しておいた方がいいかもしれない。 今年の入試の特徴として、2月3日以降の入試が激戦だったことが挙げられるが、2月5日の大妻の実質倍率は7. 89倍にも上り、注目に値する。 「2月3日以降が激戦となると、いかに1日、2日で生徒が通いたいと思う学校に合格させてあげられるかが、私たちの大きな課題になってくると思います」早稲田アカデミー生(私国立中受験コース・公立中高一貫校受検コースのみ対象)の入塾時期は、小1が1. 5%、小2は2. 4%、小3は32. 9%、小4は27. 7%、小5は22. 3%、小6は13. 1%で、小3からの通塾が最も多くなっている。 居住地は東京が62. 7%で最も多く、次いで神奈川(15. 4%)、埼玉(10. 8%)、千葉(9. 6%)の順になっている。 [共学校] 日能研関東/長谷川信誓 氏 (関東中学情報部) 長谷川信誓 氏 日能研における今年の出願者数トップ3(東京)は、広尾学園が最も多く、東京都市大等々力、開智日本橋学園と続く。 出願増加率(東京)は、目黒日本大学で、八雲学園、東洋大学京北の順となった。 神奈川の出願者数トップ3は、山手学院、法政大学第二、神奈川大附属。 出願増加率は、山手学院、青山学院横浜英和、横浜創英。 埼玉・千葉の出願者数トップ3は、埼玉が栄東、開智、大宮開成、千葉が東邦大付属東邦、市川、専修大学松戸。 出願増加率は、埼玉が浦和ルーテル学院、開智、浦和実業学園、千葉は成田高校付属、昭和学院秀英、麗澤。 公立中高一貫校の出願者数トップ3は、神奈川県立相模原、都立三鷹中等、都立小石川。 出願増加率は、さいたま市立浦和、千葉県立東葛飾、都立三鷹中等。 各学校から言われるのは「今年は歩留まりがよかった」。 歩留まりが多かった原因は、まず受験生が多かったこと。 上位校のみならず中堅以下の学校も受験生が多かった。 そして第1志望が多かったことも挙げられる。 もう一つは入塾のタイミングが低学年化していること。 しかし日能研では小5からの入塾者も結構多いとのことだ。 「5年生から入塾するご家庭の特徴は、志望校へのストーリーがすでに出来上がっていることです。 人気のグローバル校1校と都立を受験することが多いです。 成功体験をお持ちのお父様が多いので、ほかにいろいろな学校を紹介してもなかなか話を聞いてもらえず、結果として受験校は少なく、1校決まったらそこに進学していきます。 」 最近の保護者は、最終的な学校選び、進学する学校は子どもに任せる傾向があるという。 子どもが入試問題を気に入ったからとか、入試の際の対応がよかったからとか、予想外の理由で進学先の学校を決めている。 だからこそ、子どもたちに決めてもらえるような、子どもたちが通って楽しいと思えるような取り組みを学校にはしてほしいと訴えた。 2019 年 首都圏私立中学入試 受験者数動向分析 〜分類要素による〜 当分析のデータは、複数回入試の中で、最初の入試、午前入試、一般入試、入学者が多い入試などの条件で、最適な入試を1校で1つだけ選んで受験者数を集計。 2018年中学入試受験者数は多少の増加(1. 2ポイント増)から、2019年は顕著な増加(4. 3ポイント増)になった。 原因は、2019年入試では首都圏の小6人口が2018年入試よりも3. 5ポイントの増加となったことが大きいと思われる。 さらに、中学受験比率前年対比が100. 4%の微増ながらも、増加要因となった。 なお、中学受験比率は、「2020 年大学入試改革」と「私立中高のグローバル化」の影響があると思われる。

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首都圏中学模試センター 取締役教育研究所長 北一成先生 中学入試は、子どもの将来を決める最初の関門です。 その関門を突破するには、現状についての正確な情報収集が欠かせません。 なぜなら、みなさんが考えている以上に、中学入試は変化し、近年はさらに急な動きを見せています。 その背景にあるものとは、何でしょうか? わが子が持つさまざまな能力を、もっとも発揮できる学校はどこなのか? 最良の学校選びをするために、首都圏の最新の中学入試情報を、首都圏模試センターの北一成先生にお話をうかがいました。 この記事は『』(旺文社)より転載しました。 首都圏の私立・国立中学受験は6年連続、右肩上がり! 今年の首都圏(1都3県〈神奈川、千葉、埼玉〉)の私立中学・国立中学入試を振り返ると、総受験者数は昨年より約2,200人増えて約49,400人となり、2015年から6年連続の増加傾向を維持しました。 この人数が、今年の首都圏の全小学6年生の総数(約297,280人)に占める割合は16. 62%となり、約6人に1人が中学受験にチャレンジしている結果となります([表1])。 このいちばんの要因は、今後、実施が決まっている「大学入試改革」にあることはいうまでもありません。 私立中学入試に大きく関わる大学入試改革の内容とは? 来年、2021年からの大学入試では、これまでの「センター試験」から「大学入学共通テスト」に変わります。 当初、国語と数学の一部の問題に記述式試験が、さらには英語では民間の検定試験も導入されることが決まっていましたが、文部科学省はその実施を見送ったことはみなさんもご存じのとおりです。 しかし、今後も引き続き、高校教育、大学教育、そしてそれをつなぐ大学入試の在り方を改革するという方針を国は強く打ち出しています。 2024年以降の第2期大学入試改革では、従来の入試スタイルから、受験生の思考力・判断力・表現力を問う入試に変わることが決まっているのです。 その背景には、日本社会の構造変化、さらには国際的なグローバル化、AIに代表される高度情報化社会の到来……、これらに対応できる人材の育成が求められることがあります。 一方、こういった社会的変化や要請に対し、首都圏の多くの私立・国立中学は迅速かつ敏感に反応しています。 実際の入試では、従来の4教科型・2教科型入試に加え、「適性検査型入試」や「英語(選択)入試」などに代表される、「新タイプ入試」を実施する学校が年々、増え続けています。 同時に、各学校でカリキュラムの見直しも盛んに行われていることは見逃せません。 例えば、来年からが、さらに再来年からが、高校募集を停止することを発表しています。 つまり、両校では中高一貫教育体制をより強めることで、教育内容をより進化・発展させようとする意図を強く打ち出しているのです。 来春、子どもを中学受験にチャレンジさせようと考えている保護者のみなさんは、首都圏の中学入試においては、こういったトレンドを知っておくことがとても重要となります。 「新タイプ入試」実施校の増加が加速度的に進む! 今年の入試の結果・状況を見てみると、まず、男女ともに難関校・準難関校では、昨年と比較して受験者数が微減もしくは昨年並みという学校も若干数ありますが、ほとんどが人数を増やしました。 その要因として、2〜3年かけて進学塾で4教科をしっかり勉強してきた成績上位の受験者の多くが、塾の指導もあって強気にチャレンジしたからだと考えられます。 また、全体の受験者総数が増えているいちばんの原因は、「新タイプ入試」を実施する学校の増加があげられます。 今年の私立中学入試で「適性検査型(思考力型)入試」実施校は、149校にのぼり、全体で、のべ約13,000名の応募者がありました。 一昨年が136校、昨年が147校だったことを考えると、増え幅は小さくなったものの来年以降も増える傾向にあることは間違いないと思われます。 今年のトレンドは、男子校と大学付属校人気! 今年の入試では、男子校と大学付属校の人気が高まったことは見逃せません。 特に都内の男子校では難関校から中堅上位校のほとんどの学校で受験者数は増加しました。 伝統ある男子進学校では、、、、、、、などに人気が集まりました。 なかでも、巣鴨は4回実施した入試すべてで昨年を大きく上回る倍率を記録し、[表3]「入試別 対前年 志願者数増加 トップ5」を見ると、そのうちの3つの入試がランクインしています。 一方、大学付属校では、、、をはじめ、早慶やGMARCHの付属校の多くが昨年より受験者数を増やしています。 その要因として、今後の大学入試改革の内容がまだまだ明確にされていないことで、保護者が老舗の進学校に信頼を寄せたこと、また、大学付属校に進めば系列の大学に進学できる可能性が高いという安心感があることはいうまでもないでしょう。 「グローバル化」を促進する 学校の人気が上昇! また、中堅校では、来年から共学化を発表しているが目立って受験者を増やしました。 同校は、ここ数年のうちに豊洲新キャンパスへの移転や、教育改革を矢継ぎ早に実現し、それが人気上昇に結びついたことは間違いありません。 ここ数年、受験者数の伸び率が高かったは、昨年の入試とほぼ同じくらいの倍率で落ち着きました。 ちなみに、や、の3校は、母体である大学がともに国から「スーパーグローバル大学」の認定を受けており、大学も含めて全学でグローバル化を促進している姿勢が人気の秘けつとなったようです。 大学付属校の中堅校では、日大の付属各校の人気が高く、なかでも日大の付属校で唯一の男子校であるの人気が顕著でした。 また、昨年、校名を変えて日大の準付属校となったも昨年を上回る受験者を集めています。 今年の女子校の入試状況は やや落ち着いた感アリ! 女子校については、全体的に見て、各校とも受験者数は前年並みか微減といった学校が大多数を占めました。 難関校では、や、などはほぼ前年並みか微減、は前年より応募者を約40人増やしました。 女子校で人気を集めている学校の大きな特徴として、校風・カラーが色濃く、教育改革や入試改革に積極的に乗り出し、それを外に向けて強く発信している点があげられます。 現状ではが広報活動に力を入れはじめたことで、人気が高まりました。 依然、受験者数が増える午後入試の現状とは? 2月1日の午後入試の状況を、上の[表2]に東京都と神奈川県の受験者数をまとめました。 全体として、一昨年、午後入試を実施する学校が一気に増えましたが、今年、算数1科などで新たに開始した学校もあり、受験者数はいずれも増加しており、なかでも東京都の共学校の対前年の伸び率がもっとも高いという結果となりました。 個別に見ると、(算数選抜)が昨年よりさらに応募者を増やし、今年は766名(競争率38. 3倍)に達しました。 ほかには、、、(今年から実施)、、、、、などが300人以上の応募者を集め、昨年より応募者数が増加しています。 2日の午後入試では、が877人、が男女合わせて584人の応募者を集めました。 なお、プロテスタント系の学校では日曜日には入試を実施しないというのが通例で、通常より1日ずらして試験を実施することがあります。 その結果、他校も含めて入試動向に影響を与えることを「サンデーショック」と呼びます。 今年の入試は2月2日が日曜日にあたったのでが2日から3日に試験日をずらしましたが、それほど大きな影響のない「プチ・サンデーショック」の年でした。 首都圏の公立中高一貫校の入試状況から見えてくるもの 公立中高一貫校は、首都圏全体で見ると志願者数は微増にとどまりました。 全体的に、高倍率の学校がとても多いので高止まりということはいえるでしょう。 たとえば、昨年、開設されたさいたまは、昨年は募集定員約160名に男女合わせて1,010名もの志願者を集めるほどの大人気でしたが、今年は702名に落ちつきました。 なお、同校は首都圏の公立中高一貫校のなかで初めてのIBスクールです。 IBスクールとは、国際バカロレア機構が提供する教育プログラムも導入する学校で、IB認定校で定められたカリキュラムを修得し卒業すると海外の大学の受験資格などを得ることができます。 埼玉県では、来年、川口市に公立中高公立中高一貫校が開設される予定ですが、この学校も前評判はとても高く、入試では高倍率になることは間違いないでしょう。 ロケーション的にも、川口市は東京都に隣接していますので、都内北部の私立中学入試にも大きな影響を与えることも予測できます。 茨城県では今年5校、県立高校の附属中学が新設されましたが、いずれも募集人数が少ないこともあって、竜ヶ崎第一高校附属中学以外は、最高でも3倍程度の倍率で落ち着きました。 そのため、茨城県内の私立中学では早くから危機感を抱き、新たな入試制度(適性検査型入試など)の導入や医学部受験コースの設置などに取り組むところも増えそうです。 同時に、来年以降、公立一貫校との併願者を迎える姿勢を強く打ち出していくことも予想でき、結果、公立・私立双方の全体の志願者数を増やすことにつながるでしょう。 「新タイプ入試」のひとつである英語(選択)入試でもっとも多いスタイルが国語・算数・英語の3教科型です。 次に、国語・英語か算数・英語の2教科型、さらに英語1教科型となっています。 今年の実施校は全部で141校(私立中学140校、国立中学1校)と前年に比べ14校増えました。 その増え方の勢いは、適性検査型入試等を導入する学校の増加率を上回り、今後も増加すると考えられます。 「新タイプ入試」の増加で中学受験のすそ野が広がる! 「新タイプ入試」のひとつである適性検査型入試には、さまざまなタイプがありますが、なかでも教科の枠を超えた問題に対して、自分なりの解答を探るという思考力型が一般的です。 これは公立中高一貫校が入試で実施している適性検査のスタイルを真似て作られており、公立中高一貫校を目ざす生徒も受験できるよう配慮した結果です。 中学入試で適性検査を始める学校が多い理由は、今後の大学入試の新テストで似たような形式の試験が行われることが決まっており、適性検査を中学入試段階から受験しておくと、将来、有利となるからです。 「新タイプ入試」には、ほかにも「自己アピール(プレゼンテーション型)入試」や「プログラミング入試」などのユニークなタイプの入試を導入する学校も徐々に増えつつあります。 これらの入試を実施する背景には、筆記試験だけでは測れない子どもの潜在能力や資質を評価したいという考えがあるからです。 新タイプ入試の「プログラミング入試」 求められる能力とは? 今年の入試では「プログラミング入試」を、との2校が導入しました。 既存の、、、の4校に加え、全部で6校が実施しました。 この2020年4月から実施される新しい学習指導要領では「、情報活用能力」を「学習の基盤となる資質・能力」と位置付け、「プログラミング教育」が小学校で必修化されるので、今後、入試にプログラミングを取り入れる中学校の増加が予想できます。 これらの入試では、単純に受験生のプログラミング能力の程度を測るのではなく、簡単なプログラムを作成する過程で、受験生の「物事を論理的に考え、課題を発見する力」やそれを「解決する力や発想力」などを合否の判断基準としています。 入試に先立って、プログラミングそのものに興味を持つ児童に対し、プログラミング体験教室を開催している学校もあるので、興味がある受験生は要チェックです。 国際化をめざす教育方針がひとつのキーワードに! 前述したIBプログラムを私立中学で導入する学校は増えていますが、ここにきて、「ラウンドスクエア」という国際的な連盟に加盟する学校も増えつつあります。 これはIBプログラムの創設者が、次世代の国際的リーダーを養成するために設立した私立学校連盟で、世界中で50か国、180校以上の学校の生徒がネットワークをつくっています。 日本ではと、が加盟しており、も現在、加盟申請中です。 また、カナダと日本の両方の高校の卒業資格を得ることができる「ダブルディプロマ」というプログラムをがすでに取り入れています。 今年の入試から、、、が本プログラムの導入を開始しました。 このようにグローバル教育のプログラムを導入する学校は今後、人気が上がることが予想できます。 いうまでもなく、大きく変化する将来の社会で求められる力の変化と、「大学入試改革」への対応が最も大きな要因です。 来年、中学入試にチャレンジする児童が社会人となるのは2030年。 AIも、グローバルも当たり前すぎることとなっていることでしょう。 わが子が、そのような社会で活躍できる人間となってゆく、その過程のひとつでもある中高6年間の教育環境を選ぶ際には、わが子の「個性」が存分に伸びてゆけるような環境であることをぜひ考慮しましょう。 たとえば、先述のプログラミング入試や、プレゼンテーション型入試、聖学院の「ものづくり思考力入試」など、保護者としては不案内であったり、手出ししづらい分野でも、小学生は素早く順応したり、意外な能力を発揮して伸びを見せることも大いにあります。 4教科や2教科の力では測れない、何かに特化した力を持つ子どもへも、積極的に光を当てようという中学校の姿勢が、「中学入試の多様化」に現れているといえます。

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2月1日午前受験者数は4万1000人を超えた。 また、女子校にも新たに算数1科午後入試を導入した学校があった。 2018年度と2019年度は、連続して前年度より増えています。 2018年度は3. 7 2016年度(2017年受験) 283,875 36,893 13. 0 2017年度(2018年受験) 276,520 37,939 13. 7 2018年度(2019年受験) 286,248 39,761 13. 9 2019年度(2020年受験) 289,494 41,308 14. 2月1日午前受験者数は森上教育研究所調べ。 2020年の2月1日午前受験者数は、2月13日までに受験者数が判明した学校のデータより算出しています。 一方、私立中学校の受験者の実数を推定するには、2月1日午前に入試を行う学校の受験者数の合計が一つの参考になります。 2月1日午前には、ほとんどの受験生が、いずれかの学校を受験していると考えられるからです。 この数を、公立小学校6年在籍者数で割って「受験率」を求めてみると、これも上昇傾向にあることがわかります。 私立中学校の募集人員の合計にはそれほど変化がないので、2020年の首都圏私立中学入試は、近年では最も厳しいものだったといえます。 では、受験学年である6年在籍者数は、今後はどうなっていくのでしょうか。 1都3県の合計では、2020年に受験した現小6の28万9494人をピークに、これからは減少していきます。 それでも、2019年5月1日現在の1年在籍者数、つまり、2025年に受験することになる新小2は、27万9877人いました。 現小6と比較して、3. 東京都では、今後も増加傾向が続く見込みです。 東京都の現小6は9万6789人だったのに対して、新小2は9万8565人で、現小6より1. 首都圏全体の小6が減少に転じても、東京都の小6が増えている限りは、私立中学校の受験者の実数は横ばいか、増加となる可能性が高いので、首都圏の中学入試は、まだしばらくは激戦が続きそうです。 そこで、首都圏のおもな大学付属校・系属校について、昨年と今年の応募者を比較してみましょう。 このうち、慶應義塾湘南藤沢が増加し、慶應義塾中等部が減少したのは、今年は2月2日が日曜日だったため、プロテスタント校の青山学院が入試日を2日から3日に変更した影響が考えられます。 また、早稲田実業学校と明治大学付属中野の減少は、昨年大幅に増加した反動といえそうです。 全体的には、付属校・系属校の人気は続いたとみてよいでしょう。 なお、香蘭女学校は、立教大学に80名という、1学年の半分にもなる大きな推薦枠を持っている学校です。 その推薦枠が、80名から97名になることが発表されたことも、応募者増加の一因と思われます。 湘南白百合学園、田園調布学園など 女子校も算数1科午後入試を新設 近年、午後入試が増加しており、なかには全日程が午後入試という学校も出てきました。 そのため、2月1日・2日・3日とも「ダブルヘッダー」で受験をするケースが珍しくなくなっています。 しかし、午前受験の学校からの移動時間を考えると、午後入試の開始時刻は、早くても午後2時ごろで、難関校との併願が想定される学校であれば、午後3時以降にならざるを得ません。 それから4科の入試を受けると帰宅が夜になり、翌日以降も入試が続く受験生には、体力的にも精神的にも、かなりの負担になります。 そこで広まりつつあるのが、午後に行う「算数1科入試」です。 昨年は男子校の巣鴨と世田谷学園が、2月1日午後に算数1科による入試を新設しました。 巣鴨は508名、世田谷学園は425名の応募者を集めましたが、この両校の午後入試は、今年さらに応募者を増やし、巣鴨は766名に、世田谷学園は544名になりました。 さらに、午前入試でも全日程で応募者が増加しました。 特に2月2日、巣鴨は390名から678名になり、世田谷学園は480名から718名になっています。 午後入試の新設をきっかけに、学校の教育内容そのものへの関心が高まったとみられ、いずれも午後入試の導入は大成功だったといえるでしょう。 今年はさらに、女子校の湘南白百合学園と田園調布学園も1日午後に算数1科入試を新設し、それぞれ147名、356名の応募者を集めました。 それでも、恵泉女学園、東京女学館、山脇学園などの午後入試はむしろ増加しています。 1日午後入試については、新規参入があっても、既存の学校が減ることは少なく、むしろ、午後入試を考えていなかった層を掘り起こす効果があるといえそうです。 なお、2日には、富士見が算数午後入試を新設しましたが、この日の午後に人気を集めたのは、女子校では香蘭女学校(877名)や恵泉女学園(697名)でした。

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