アーサー ボイル 声優。 【炎炎の消防隊】アーサーボイルのプロフまとめ

【炎炎の消防隊】アーサーボイルのプロフまとめ

アーサー ボイル 声優

咄嗟のことで目は閉じられなかった。 そうするまでの時間を与えてはくれなかったし、そうするべきだと考える余裕も無ければ、身動きすることすらできなかった。 頭の中が真っ白になり、たった今離れていったばかりの顔を凝視することしかできなかった。 ところが、驚いているのは俺だけではなかった。 いきなり俺にキスをしてきたアーサーの方も、まるで今我に返ったばかりというようにぽかんとした表情を浮かべ、「え、」とものすごく小さい声で呟いた。 他にどうしようもなく俺たちはしばらくの間見つめ合い、どちらも身じろぎもしなかった。 そうやってどれくらい経ったか、俺が見ている目の前でアーサーの頬にさっと赤みが差した。 相変わらず体は動かないが、その表情は困惑と焦りと戸惑いを表している。 照れていると分かって俺はもっと驚いた。 アーサーがそんな感情を表に出すのを見るのは初めてだった。 「……悪い」 アーサーが小さな声で謝った。 と思うと、俺が何か反応するのを待たずに、アーサーはその場から逃げるように走り去ってしまった。 俺は一人、強風が吹き荒れる屋上に佇み、呆然とその背中を見送った。 何が起きたのか、頭では理解することはできたが、混乱と疑問を消すことだけはどうしてもできなかった。 長い間頭を悩ませたあとで覚悟を決め、ようやく俺が事務所に戻ると、ほっとしたことにアーサーは戻ってきていなかった。 何食わぬ顔で自分の机に座ろうとした俺を、マキさんが呼び止めた。 「…あれ、シンラ、アーサーは?」 「えっ? あ~~……」 「あーもう、俺が知るかよ!」と内心で叫んだが、マキさんが疑問に思うのは当然だ。。 だって、事務仕事で死にそうなアーサーの頭を休ませるために屋上に連れて行ったのはこの俺なのだ。 どうしよう、と俺は必死に頭を回転させた。 「…ちょっと腹が痛いみたいで。 トイレに行きました」 「あら…かわいそうに。 頭脳労働で体まで壊してなきゃいいんだけど」 「大丈夫ですよ」、と無責任な言葉を返しながら俺はほっとして席に戻る。 よし、これでとりあえずは大丈夫だ。 アーサーがしばらく戻らなくても、不審に思われる心配は無い。 ところが、気を落ち着かせて仕事を再開しようとした俺の頭は、すっかりアーサーのことでいっぱいになってしまっていた。 しばらくペンを握りしめて必死に書類を睨み、頭を働かせようと頑張ってみたが、無理だった。 俺は椅子から立ち上がった。 「大隊長!」 「ぅおっ……、びっくりした、どうしたシンラ」 静かな事務所内で急に大声を出したので、みんなを驚かせてしまったようだ。 マキさんが「わっ」と小さく声を上げるのが聞こえたし、視界の端では環が肩をびくっと跳ねさせるのが見えた。 俺はきまり悪くなって咄嗟に「すみません」と謝った。 「…えっと……心配なので見てきます。 ……アーサーを」 言ったそばから俺は後悔した。 しまった、失敗した。 「ウソついてサボってないか見てきます」とかにしておけば良かった。 だって普段の俺は、アーサーがちょっと具合が悪いからって心配して様子を見に行くほどあいつに優しくないじゃないか。 だけどもう後の祭りだ。 俺はそのまま黙って桜備大隊長の返事を待ったが、案の定、違和感を覚えた第8の面々から痛いほどの視線を浴びせられた。 桜備大隊長に許可をもらった俺は、実のところアーサーがどこに行ったかなんて全く分からず、廊下に立ち止まって考えこんだ。 こういうことがあると、よく「シンラならアーサーの行きそうな場所がだいたい分かるだろ」なんて言われるのだが、はっきり言ってそれは全くの勘違いだ。 確かにあいつとの付き合いは長いが、俺にはアーサーの思考回路も行動パターンもよく分からない。 いつもこちらが思いもよらないことばかり言い出すし、何度も通っている道でも迷子になるような奴なのだ。 思うに、あいつには「パターン」などというものは存在しないのに違いない。 俺はため息をついた。 寝室、中庭、倉庫、いくつか可能性が浮かんだが、とりあえず俺はトイレに向かうことにした。 みんなにはトイレに行ったと言ってあるし、もしアーサーがいないとしても、水道の水で顔でも洗って、少しでも冷静さを取り戻したかった。 「うわっ!!」 …ところが、悶々とした頭を抱えながらトイレの戸を開けると、本当にアーサーがそこにいたものだから俺は仰天してしまった。 まさか本当にここにいるとは思わなかった。 洗面台の前でしゃがみ込んでいたアーサーは、俺の声にびくっとして顔を上げた。 「なっ……なんでホントにトイレにいるんだよ!!」 気が動転した俺は咄嗟にこう口走り、アーサーに変な顔をされた。 「……や……まあ…良かった、探す手間が省けた」 俺は目を逸らしながらもごもごと言い、もう一つの洗面台の前に立った。 蛇口に手を掛けたが、回して水を出すことはせず、俺はアーサーが何か行動するのをじっと待った。 アーサーはしゃがみ込んだままこちらを見つめていたが、しばらくしてようやくふらふらと立ち上がると、抑揚のない低い声でこう言った。 「……忘れてくれ」 「…は?」 俺は思わずアーサーの顔を振り返った。 アーサーは洗面台の鏡を虚ろな目で見つめていた。 「…さっきの。 無かったことにしていいから」 「…………」 俺は言葉が出てこなかった。 全く表情の無い声からも顔つきからもアーサーの心情が読み取れず、俺は困ってしまった。 それと同時に、はっきりとした怒りとショックを覚えた俺は、蛇口から手を離して体ごとアーサーに向き直った。 「……忘れろだって?」 「……」 アーサーはまだこっちを見ない。 俺はそれにも腹が立って、気付くと声を荒らげていた。 「んなこと無理に決まってんだろ! 無神経の最低野郎か、お前は!? ふざけんなよ!」 本気で怒りだした俺に、さすがにまずいと思ったのか、アーサーはようやくこちらを振り返った。 その表情には僅かに驚きの色が混じっている。 俺ははっとして押し黙った。 こんなところで喚いたりしたら、事務所にまで聞こえてしまうかもしれない。 俺は目を閉じ、長い息を吐き出した。 落ち着かなければ。 頭では分かっていたが、先程のアーサーのセリフに心が乱され、そう簡単には落ち着けなかった。 アーサーを睨みつけながら、俺は自分自身に困惑していた。 怒るのは分かるが、なんで俺はこんなに傷ついてるんだ? 「……なんであんなことしたんだ?」 「……」 「…嫌がらせのつもりか? …最低だな、人のこと悪魔とか言っておいて、お前の方がよっぽど……」 「…違う」 アーサーは俯いてしまっていた。 なんだか親に説教されている子どもみたいだ、と頭の片隅で思う。 だが俺は何も言わず、黙ってアーサーを睨み続けていた。 「……俺にも分からなかった……なんであんなことしたのか。 …でも……したいと思ったことは確かなんだ。 疲れてて……でも、俺はただ、」 アーサーの顔は赤くなっていた。 のぼせているわけでも、頭に血が上っているわけでも、トイレの中が暑いわけでもないことは明らかだった。 そんなアーサーを見ながら、俺は怒りが消えていくのを感じていた。 「…お前にキスしたいと思った。 だけどほんとにするつもりじゃなかった。 ……悪かった」 「…………」 俺が見つめる中、アーサーの方はちっともこちらを見ようとしない。 いつもは必要以上に俺の顔を見てくるくせに、話す時は必ず相手の目を見て話をする奴なのに、今回ばかりは顔を上げることすらできないようだった。 そんなアーサーの様子に、もはや俺はこいつがどうしてしまっているのか分かってしまったのだが、本人に確認するために「なんで」と聞くのはやめにした。 聞いたところで、アーサーには「分からない」と言われるに決まっているからだ。 だから俺は質問する代わりに、俯いたまま沈黙しているアーサーに近づき、無理矢理顔を上げさせた。 そしてアーサーの表情を確認する前に目を閉じ、今度は自分からキスをした。 唇の感触を確かめるようなキス。 顔を離して目を開けると、アーサーは呆然と俺の顔を見つめていた。 ああ、俺もあの時こういう顔をしていたのか、と俺はぼんやりと考えた。 勢いに任せて動いてしまったので、そのあと何を言ったらいいのか分からず少し焦ったが、言葉が出てきたのはアーサーの方が先だった。 「お前が好きだ」 気付くと、俺の両腕はアーサーの手にがっちりと掴まれ、痛いくらいだった。 俺はムッとした顔をしてやった。 「…でも忘れてほしいんだろ」 我ながら意地悪だと思ったが、とても優しくなんてできる気分ではなかった。 アーサーにキスしてこんなにドキドキしている自分が恥ずかしくて、悔しくて、悪態の一つや二つぶつけてやりたいくらいだった。 そんな俺のセリフにアーサーは困った顔をし、じっと俺の目を覗き込んでこう言った。 「……お前は、忘れたいのか?」 「……」 自分のことを棚に上げて、俺はアーサーを意地悪だと思った。 そんなふうに聞くなんて反則じゃないのか? 俺はわざと目を逸らして黙り、たっぷり時間を空けた後でようやく返事をしてやった。 「…忘れちまうかもな。 だってこれから何回も、同じことするんだろ」 アーサーはようやく微笑んでくれた。 俺は思わず唇を噛んだ。 こいつの笑顔って、こんなに綺麗だったのか。

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【炎炎の消防隊】アーサーボイルのプロフまとめ

アーサー ボイル 声優

TVアニメ『炎炎ノ消防隊』アーサー・ボイル キャラクターPV さらに、のコメントも到着している。 【コメント】 Q. アーサー・ボイルというキャラクターについての印象をお聞かせください。 バカです。。 でもたまにカッコ良い!でもやっぱりバカです。 でもたまにめちゃくちゃかっこいい!と、謎の振り幅をもつ騎士王様というイメージです 笑 きっと見てくだされば意味がわかります! Q. 本作を楽しみにしてくださっているファンの皆様に一言お願い致します A. 主人公にまとわりつく謎、仲間との絆、渦巻く陰謀、炎を扱ったダイナミックなバトルシーン。 本当に見所が満載の作品です! 放送をお楽しみに! コメントやキャラ設定画からは熱い感じがビシビシ伝わってくる。 謎の振り幅も見る側をしびれさせてくれそうだ。 さらなる『炎炎ノ消防隊』の続報に期待したい。

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小林裕介

アーサー ボイル 声優

『炎炎ノ消防隊』あらすじ 人体発火現象を引き起こす怪物「焔ビト」 第一世代 が人々の脅威となっている中で、特殊消防隊のメンバーが任務遂行に当たっていた。 そんな中、緊張すると笑ったような表情になってしまうことが起因して、昔起きた事故の際にもその表情だったために「悪魔」と呼ばれていた森羅日下部が、新入隊員として特殊消防隊に配属される。 豪華声優陣で贈るアニメ『炎炎ノ消防隊』に注目! <『炎炎ノ消防隊』声優キャスト一覧> 森羅日下部 しんらくさかべ :梶原岳人 アーサー・ボイル:小林裕介 秋樽桜備 あきたるおうび :中井和哉 武久火縄 たけひさひなわ :鈴村健一 茉希尾瀬 まきおぜ :上條沙恵子 アイリス:M・A・O レオナルド・バーンズ:楠 大典 カリム・フラム:興津和幸 フォイェン・リィ:日野 聡 烈火星宮 れっかほしみや :関 智一 環 古達 たまきこたつ :悠木 碧 武 能登 たけるのと :小西克幸 プリンセス火華 ひばな :Lynn トオル岸理 きしり :河西健吾 新門紅丸 しんもんべにまる :宮野真守 相模屋紺炉 さがみやこんろ :前野智昭 ジョーカー:津田健次郎 ヴィクトル・リヒト:阪口大助 『炎炎ノ消防隊』スタッフ一覧 原作は『ソウルイーター』の大久保篤先生による人気漫画。 『炎炎ノ消防隊』の人気ぶりがわかるとともに、アニメへの期待度が高いことも伺えます。 アニメ2期放送開始前時点では23巻までが好評発売中。 Advertisement 関連する記事• 2020. 26 『聖剣学院の魔剣使い』声優・東山奈央、田村睦心、大西沙織出演のスペシャルボイスコミック&お姉さんボイス集公開! 学園ソードファンタジー『聖剣学院の魔剣[…]• 2019. 08 劇場アニメ『BLACK FOX』を観てきましたので、感想として4つの見どころを挙げ、さらに2つの考察をしています!【ネタバレ注意】 感動と興奮の涙が流[…]• 2020. 03 完全リモートワーク制作リモートアニメ『ステイングベイビーズ』AT-Xで放送・YouTubeで配信決定! リモートアニメ『ステイングベイビーズ』の制作背[…]• 2020. 06 「きんいろモザイク」TVシリーズ&WEB初配信の劇場版がニコニコ生放送で一挙放送決定! 2月15日から2日間、ニコニコ生放送にて 「きんいろモザイク」[…]• 2020. 20 「週刊少年サンデー史上最高だった漫画ランキング」結果発表! ランキング1位は長期連載の人気作『名探偵コナン』! gooランキングが「週刊少年サンデー史[…]• 2019. 2019. 03 「コミックマーケット97」企業ブース「アカツキ」で販売される『八月のシンデレラナイン』のグッズ詳細・画像が公開! 目次 1. 『八月のシ[…].

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