窒化 ガリウム。 窒化ガリウム(GaN)充電器がさらに進化!映像出力装備の【GENKIドック】登場

半導体論。なぜ『窒化ガリウム』USB PD充電器が“次世代”なのかの考察|8vivid

窒化 ガリウム

「酸化ガリウム Ga2O3 」の開発ベンチャー「ノベルクリスタルテクノロジー」と関連するおもな企業と大学、研究機関。 公表資料をもとに筆者がまとめたもの 次世代の半導体「酸化ガリウム Ga2O3 」のパワーデバイス開発に携わる機関が、日本で急速に増えつつある。 大学と企業、公的研究機関が、続々と酸化ガリウム Ga2O3 の研究に参加しているのだ。 さらには開発ベンチャーに対する出資が相次いでいる。 研究開発態勢はさながら、産官学による「オールジャパン」の様相を呈しつつある。 本コラムの前々回 で述べたように、パワーデバイスでは、日本企業が世界市場で健闘している。 パワーデバイスの研究開発の主役はシリコン Si から、「ワイドギャップ半導体 エネルギーバンドギャップがシリコンよりも広い半導体 」に移行しつつある。 ワイドギャップ半導体の代表は、炭化ケイ素 シリコンカーバイド:SiC と窒化ガリウム GaN であり、前者は高耐圧領域、後者は高周波領域で製品化され、シリコンを超える性能を発揮している。 「酸化ガリウム」の開発ベンチャー「FLOSFIA フロスフィア 」と関連するおもな企業と大学、研究機関。 公表資料をもとに筆者がまとめたもの そして炭化ケイ素と窒化ガリウムに続く第3のワイドギャップ半導体として最近になって急激に注目を集めているのが、酸化ガリウムである。 本コラムの前回 でご説明したように、酸化ガリウムの理論的な性能はシリコンはもちろんのこと、炭化ケイ素と窒化ガリウムも超える。 理論的な性能を定量的に評価する指数 バリガの性能指数 を比較すると、酸化ガリウムはシリコンの3,000倍、炭化ケイ素の6倍、窒化ガリウムの3倍と高い。 「究極のパワーデバイス」になる可能性がある。 酸化ガリウムが注目を集めている点はほかにもある。 デバイスや基板などの研究開発で日本が圧倒的に先行していること。 また、製造コストをシリコンのパワーデバイスに近い水準まで、下げられる可能性があることだ。 東の「ノベルクリスタル」、西の「フロスフィア」 パワーデバイスを想定した酸化ガリウムの研究開発の歴史は、それほど長くない。 元々は国立研究開発法人情報通信研究機構 NICT:National Institute of Information and Communications Technology とタムラ製作所、京都大学の3者で2010年~2011年に研究がはじまった。 その後、NICTとタムラ製作所からはベンチャー企業「株式会社ノベルクリスタルテクノロジー」が、京都大学からはベンチャー企業「株式会社FLOSFIA フロスフィア 」が誕生し、現在では両社が日本における酸化ガリウムパワーデバイス開発の中核企業となっている。 ノベルクリスタルテクノロジーの設立は2015年6月30日である。 所在地は埼玉県狭山市広瀬台で、タムラ製作所の狭山事業所に隣接する。 代表取締役社長の倉又朗人氏は、かつてタムラ製作所で酸化ガリウムバルク単結晶の開発リーダーをつとめていた 現在もタムラ製作所社員を兼務。 株式会社ノベルクリスタルテクノロジーの概要 FLOSFIA フロスフィア の設立は2011年3月30日である。 所在地は京都府京都市西京区で、京都大学の桂キャンパスに位置する。 当初の社名は「ROCA ロカ 」で、ミストCVD法による濾過膜の開発ベンチャーだった。 2012年に人羅俊実氏を代表取締役CEOに迎え、酸化ガリウムパワーデバイスの研究を手掛けるようになる。 なお人羅氏は、2005年に紫外線センサーのベンチャー企業を立ち上げた経験を有する。 2014年7月23日には、社名を現在のFLOSFIAに変更した。 FLOSFIAの陣容で注目すべきは、最高技術責任者 CTO の四戸孝氏である。 東芝で1981年~2016年 2017年? まで一貫してパワー半導体デバイスの研究開発に携わってきた。 パワーデバイス開発のベテラン研究者である。 2017年7月にFLOSFIAのCTOに就任したと見られる。 バルク単結晶からのデバイス開発を目指す ノベルクリスタルテクノロジーとFLOSFIAでは、開発している技術と開発の方向性がかなり違う。 すでに長方形のエピタキシャル基板や直径2インチ 50mm のエピタキシャルウェハなどを研究開発用に販売中である。 世界中で酸化ガリウムの研究がブームとなりつつある現在、単結晶基板の需要は急激に増大していると見られる。 パワーデバイスの開発は、2015年にノベルクリスタルテクノロジーが設立されるまではNICTやタムラ製作所などが担っていた。 2015年以降は、ノベルクリスタルテクノロジーもタムラ製作所などと共同でデバイス開発をてがけるようになる。 製品の発表はまだないようだ。 独自技術で代替基板による薄膜デバイスを製造 ノベルクリスタルテクノロジーがデバイス開発では「単結晶からのデバイス開発」という伝統的な技術を採用しているのに対し、FLOSFIAは独自開発の成膜技術で基板レスのパワーデバイスを実現する。 材料も厳密には両者で異なる。 ここで少し、酸化ガリウムの結晶相について簡単に触れておく。 酸化ガリウムの結晶相。 なお、ミストCVD法は京都大学の藤田教授らが開発した独自の低温CVD法である。 普通ではサファイア基板にアルファ相酸化ガリウムが成長するとは想像しないし、成長したとしても欠陥だらけになるはずだ。 ところが、2つの偶然がサファイア基板への高品質アルファ相酸化ガリウム薄膜の成長を可能にした。 1つは、サファイア基板と酸化ガリウムの界面で、格子定数の不整合を緩和する仕組みがあったことである。 サファイア基板の格子定数はアルファ相酸化ガリウムの格子定数よりも短い。 ここで偶然にも、特定方向の結晶格子数で21個分のサファイアの長さと、20個分の酸化ガリウムの長さが一致していた。 このことが、格子定数のずれを緩和していると見られる。 こういった特徴を活かし、FLOSFIAではサファイア基板を代替基板としてアルファ相酸化ガリウムの結晶をエピタキシャル成長させ、サファイア基板を外して電極を形成することでパワーデバイスを作製する。 サファイア基板は再利用できるので、デバイスの製造コストは原理的には非常に低くなる。 なお使用しているサファイア基板 ウェハ の寸法は直径4インチ 100mm である。 パワーデバイス向け酸化ガリウム研究の歩み ここからは、日本における酸化ガリウムパワーデバイスの研究開発が、どのように進んでいったかを簡単に振り返ろう。 本コラムの前回で述べたように、パワーデバイス向け酸化ガリウムの研究開発は、2010年~2011年にはじまった。 2012年1月には、NICTとタムラ製作所などが、はじめてのトランジスタ動作を確認する。 翌2013年の6月には、同じくNICTとタムラ製作所などがはじめてのMOS FETを試作する。 ただしn型層は存在するが、p型層が作れていない。 p型層が作製困難なのは酸化ガリウムの弱点であり、厳密な意味ではシリコンのトランジスタとは違う。 NICTとタムラ製作所などが試作した酸化ガリウムMOS FETの断面構造図 左 と電極の電子顕微鏡写真 左。 2013年6月19日付けのニュースリリースから 2015年になると、研究開発は新しい段階に入る。 同年10月26日に、FLOSFIAがオン抵抗が炭化ケイ素よりも低いショットキーバリアダイオード SBD を試作したと発表する。 そして同年11月には、酸化ガリウムを専門とする国際学会 IWGO がはじめて開催される。 しかも記念すべき第1回の開催地は、酸化ガリウム研究の重要拠点である京都大学だった。 酸化ガリウムの研究開発コミュニティにおける日本の地位の高さがうかがえる。 2016年9月28日には、p型層の研究成果が出てきた。 具体的には逆回復時間が市販の炭化ケイ素 SBDよりも短いこと、熱抵抗が市販の炭化ケイ素 SBDに近いことを確かめた。 エピタキシャルウェハが供給されたことで日本はもちろんのこと、世界中で酸化ガリウムのデバイス開発が加速された。 同じ9月12日には、イタリアのパルマ大学で第2回の酸化ガリウム専門国際会議「IWGO 2017」がはじまった。 2015年の第1回に続き、隔年で世界中の酸化ガリウム研究者が一堂に会した。 公式と非公式の両方で研究者同士の情報交換が進んだ。 世界中で酸化ガリウムの研究事例が増加中 2019年8月には、第3回の酸化ガリウム専門国際会議「IWGO 2019」が米国のオハイオ州立大学で開催された。 第1回~第3回のプログラムから発表件数 口頭講演とポスター発表の合計 を調べると第1回 2015年、京都大学 が99件 講演37件、ポスター54件 、第2回 2017年、イタリアのパルマ大学 が144件 講演43件、ポスター101件 、第3回が123件 講演51件、ポスター72件 となっている。 IWGOは口頭講演セッションを1つに制限しているので、3日間開催だと講演による発表数は50件前後が限界になる。 それでも第1回に比べると、全体の発表件数は増加傾向にある。 またパワーデバイスに関連する口頭講演にしぼると、第1回が5件、第2回が6件、第3回が8件となり、じょじょに増加していることがわかる。 IWGO 酸化ガリウム国際ワークショップ におけるパワーデバイス関連のおもな発表機関と発表概要 さらに続き。 第3回IWGOのプログラムから筆者が抜粋した。 なお第3回のプログラム 公式サイトに掲載されているもの はポスター発表の発表機関が記述されていなかったので、ここには含まれていない 上記のスライドにまとめた第1回から第3回までのパワーデバイス関連の発表を地域別に見ていくと、米国が12. 5件、日本が11. 5件、欧州が3件、日本を除くアジア地域が2件となっている。 発表件数では米国がトップ、わずかな差で日本が続く。 米国では窒化ガリウム 窒化ガリウム のデバイスを研究していた機関が、相次いで研究テーマを酸化ガリウムのデバイスに変更しているという風聞がある。 この風聞を裏付けるようなデータだ。 世界的に見ても、酸化ガリウムに関する研究論文の数は指数関数的に増加してきた。 とくに2010年代後半は、過去のトレンドを上回る勢いで研究論文が急増しつつある。

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【福田昭のセミコン業界最前線】「酸化ガリウム」からはじまる日本の半導体産業“大復活”

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コメント一覧 25• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 12:13• 他にも書いたが、おそらく7nmのnVidiaから受注している微細化半導体の新規ラインでの試作・製造分で、過去の実績が要らなくて、ラインの設計図を出せば許可が出る奴。 もっともこれから輸出した分に関してもトレースはされるから、最終処理までの書類が作れないのに「次」を要求すると情け無用の「書類不備で許可されない」列に並ぶw• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 13:24• 必要量がわかる書類を出せば、そのぶんだけ輸出してるが以前のように数万トンも一括申請は、この先もさせてもらえないだろうな。 名も無き国民の声• 2020年01月14日 12:46• 12Nをプレミアムフッ化水素として扱い 264倍から感度3000倍もとい値段3000倍にしてやれ• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 12:56• ガリウム半導体って製造工程でフッ化水素使うの?• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 13:21• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 14:00• シリコンが半導体の主流から外れても、需要はいくらでもある。 名も無き国民の声• 2020年01月14日 16:37• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 14:49• フッ化水素の輸出量100Kgって・・・・・・。 2年前は4万トンくらい輸入していたようだが、その大部分はテロ支援国家行きだったということか。 名も無き国民の声• 2020年01月14日 15:18• どう見ても輸入量が桁違いに多いのが疑われた原因。 名も無き国民の声• 2020年01月14日 14:59• 問題視されてたのは半導体製造ではなく使途不明分。 横流しに関わっていた企業以外は単に巻き込まれただけなんだから、それを証明すれば韓国籍だろうが売るよ、日本はな。 日本だという理由で不買したり禁輸する国と同じにしないでくれよ。 名も無き国民の声• 2020年01月14日 16:42• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 16:53• 面白い話しがひとつある。 日本で窒化ガリウムの研究は数年には完了してて導入試験までしてたんだけど、製造に使う素材と製造にかかる手間からコストダウンが難しいと判断されてた。 これを中韓が盗み出して、莫大な投資をしたところへ酸化ガリウムが出て来て窒化ガリウムが従来の数百倍だったところを、酸化ガリウムは3千倍の能力で、抽出の工程も簡単でコストも安い。 当然、表に出た時には総ての特許を取得済み 早いもの勝ちでパクった結果が自爆に繋がったという笑い話し• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 17:05• 韓国とは縁切っても日本は商売できるから。 名も無き国民の声• 2020年01月14日 17:17• まだここでオナってんのかよw• 名も無き国民の声• 2020年01月16日 03:22• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 17:26• PNが自由に作れれば良いのだが化合物系はSiやGeほどは自由にできない• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 17:27• 情報戦では、敵を間違った方向に向かわせるために誤情報を わざと盗ませるなんて当たり前だしね。 情報を盗めたのに「将来性が無い」という肝心な情報は盗めなかった というより意図的にその部分は削除されてたとかなら面白いんだがw• 名も無き国民の声• 2020年01月14日 17:39• そもそも今回の輸出管理の厳格化は、どういうルートで横流しが行われているのかの洗い出しの意図も兼ねていたわけで。 横流しに関与していないと判明したルートには許可が下りるのはむしろ当然で、未だに許可が下りていないルートは横流しが疑われているか、確信を持たれたか、のいずれかでしか無い。 名も無き国民の声• 2020年01月14日 18:53• 森田か書類提出したとか聞くと、フッ酸の不正流出に森田も加わっているのでは? と疑いたくなるね。 名も無き国民の声• 2020年01月14日 21:09• シリコンだろーとガリウムだろーと 洗浄工程は必要。 つまりフッ酸も必要。 と言うかガリウムの場合、12N程度で大丈夫なん? とは思う。 名も無き国民の声• 2020年01月14日 23:24• 名も無き国民の声• 2020年01月15日 14:55• >ネトウヨには理解出来ないからもっとわかりやすく言わないと… >輸出規制ガー!って言うのはチョンさんとパヨクなんだけど… 「ネトウヨ」という言葉を使ってるのは、やっぱり韓国人だったのか!• 名も無き国民の声• 2020年01月16日 03:20• 毎回スレタイの文がイラつく• 名も無き国民の声• 2020年01月16日 03:21• 毎回スレタイの文がイラつく• 名も無き国民の声• 2020年01月16日 07:27• コメ無し、パクリ二か国の記事は要らない。

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結局どれが買い?窒化ガリウムUSB充電器のおすすめ13種と選び方を解説!

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「酸化ガリウム Ga2O3 」の開発ベンチャー「ノベルクリスタルテクノロジー」と関連するおもな企業と大学、研究機関。 公表資料をもとに筆者がまとめたもの 次世代の半導体「酸化ガリウム Ga2O3 」のパワーデバイス開発に携わる機関が、日本で急速に増えつつある。 大学と企業、公的研究機関が、続々と酸化ガリウム Ga2O3 の研究に参加しているのだ。 さらには開発ベンチャーに対する出資が相次いでいる。 研究開発態勢はさながら、産官学による「オールジャパン」の様相を呈しつつある。 本コラムの前々回 で述べたように、パワーデバイスでは、日本企業が世界市場で健闘している。 パワーデバイスの研究開発の主役はシリコン Si から、「ワイドギャップ半導体 エネルギーバンドギャップがシリコンよりも広い半導体 」に移行しつつある。 ワイドギャップ半導体の代表は、炭化ケイ素 シリコンカーバイド:SiC と窒化ガリウム GaN であり、前者は高耐圧領域、後者は高周波領域で製品化され、シリコンを超える性能を発揮している。 「酸化ガリウム」の開発ベンチャー「FLOSFIA フロスフィア 」と関連するおもな企業と大学、研究機関。 公表資料をもとに筆者がまとめたもの そして炭化ケイ素と窒化ガリウムに続く第3のワイドギャップ半導体として最近になって急激に注目を集めているのが、酸化ガリウムである。 本コラムの前回 でご説明したように、酸化ガリウムの理論的な性能はシリコンはもちろんのこと、炭化ケイ素と窒化ガリウムも超える。 理論的な性能を定量的に評価する指数 バリガの性能指数 を比較すると、酸化ガリウムはシリコンの3,000倍、炭化ケイ素の6倍、窒化ガリウムの3倍と高い。 「究極のパワーデバイス」になる可能性がある。 酸化ガリウムが注目を集めている点はほかにもある。 デバイスや基板などの研究開発で日本が圧倒的に先行していること。 また、製造コストをシリコンのパワーデバイスに近い水準まで、下げられる可能性があることだ。 東の「ノベルクリスタル」、西の「フロスフィア」 パワーデバイスを想定した酸化ガリウムの研究開発の歴史は、それほど長くない。 元々は国立研究開発法人情報通信研究機構 NICT:National Institute of Information and Communications Technology とタムラ製作所、京都大学の3者で2010年~2011年に研究がはじまった。 その後、NICTとタムラ製作所からはベンチャー企業「株式会社ノベルクリスタルテクノロジー」が、京都大学からはベンチャー企業「株式会社FLOSFIA フロスフィア 」が誕生し、現在では両社が日本における酸化ガリウムパワーデバイス開発の中核企業となっている。 ノベルクリスタルテクノロジーの設立は2015年6月30日である。 所在地は埼玉県狭山市広瀬台で、タムラ製作所の狭山事業所に隣接する。 代表取締役社長の倉又朗人氏は、かつてタムラ製作所で酸化ガリウムバルク単結晶の開発リーダーをつとめていた 現在もタムラ製作所社員を兼務。 株式会社ノベルクリスタルテクノロジーの概要 FLOSFIA フロスフィア の設立は2011年3月30日である。 所在地は京都府京都市西京区で、京都大学の桂キャンパスに位置する。 当初の社名は「ROCA ロカ 」で、ミストCVD法による濾過膜の開発ベンチャーだった。 2012年に人羅俊実氏を代表取締役CEOに迎え、酸化ガリウムパワーデバイスの研究を手掛けるようになる。 なお人羅氏は、2005年に紫外線センサーのベンチャー企業を立ち上げた経験を有する。 2014年7月23日には、社名を現在のFLOSFIAに変更した。 FLOSFIAの陣容で注目すべきは、最高技術責任者 CTO の四戸孝氏である。 東芝で1981年~2016年 2017年? まで一貫してパワー半導体デバイスの研究開発に携わってきた。 パワーデバイス開発のベテラン研究者である。 2017年7月にFLOSFIAのCTOに就任したと見られる。 バルク単結晶からのデバイス開発を目指す ノベルクリスタルテクノロジーとFLOSFIAでは、開発している技術と開発の方向性がかなり違う。 すでに長方形のエピタキシャル基板や直径2インチ 50mm のエピタキシャルウェハなどを研究開発用に販売中である。 世界中で酸化ガリウムの研究がブームとなりつつある現在、単結晶基板の需要は急激に増大していると見られる。 パワーデバイスの開発は、2015年にノベルクリスタルテクノロジーが設立されるまではNICTやタムラ製作所などが担っていた。 2015年以降は、ノベルクリスタルテクノロジーもタムラ製作所などと共同でデバイス開発をてがけるようになる。 製品の発表はまだないようだ。 独自技術で代替基板による薄膜デバイスを製造 ノベルクリスタルテクノロジーがデバイス開発では「単結晶からのデバイス開発」という伝統的な技術を採用しているのに対し、FLOSFIAは独自開発の成膜技術で基板レスのパワーデバイスを実現する。 材料も厳密には両者で異なる。 ここで少し、酸化ガリウムの結晶相について簡単に触れておく。 酸化ガリウムの結晶相。 なお、ミストCVD法は京都大学の藤田教授らが開発した独自の低温CVD法である。 普通ではサファイア基板にアルファ相酸化ガリウムが成長するとは想像しないし、成長したとしても欠陥だらけになるはずだ。 ところが、2つの偶然がサファイア基板への高品質アルファ相酸化ガリウム薄膜の成長を可能にした。 1つは、サファイア基板と酸化ガリウムの界面で、格子定数の不整合を緩和する仕組みがあったことである。 サファイア基板の格子定数はアルファ相酸化ガリウムの格子定数よりも短い。 ここで偶然にも、特定方向の結晶格子数で21個分のサファイアの長さと、20個分の酸化ガリウムの長さが一致していた。 このことが、格子定数のずれを緩和していると見られる。 こういった特徴を活かし、FLOSFIAではサファイア基板を代替基板としてアルファ相酸化ガリウムの結晶をエピタキシャル成長させ、サファイア基板を外して電極を形成することでパワーデバイスを作製する。 サファイア基板は再利用できるので、デバイスの製造コストは原理的には非常に低くなる。 なお使用しているサファイア基板 ウェハ の寸法は直径4インチ 100mm である。 パワーデバイス向け酸化ガリウム研究の歩み ここからは、日本における酸化ガリウムパワーデバイスの研究開発が、どのように進んでいったかを簡単に振り返ろう。 本コラムの前回で述べたように、パワーデバイス向け酸化ガリウムの研究開発は、2010年~2011年にはじまった。 2012年1月には、NICTとタムラ製作所などが、はじめてのトランジスタ動作を確認する。 翌2013年の6月には、同じくNICTとタムラ製作所などがはじめてのMOS FETを試作する。 ただしn型層は存在するが、p型層が作れていない。 p型層が作製困難なのは酸化ガリウムの弱点であり、厳密な意味ではシリコンのトランジスタとは違う。 NICTとタムラ製作所などが試作した酸化ガリウムMOS FETの断面構造図 左 と電極の電子顕微鏡写真 左。 2013年6月19日付けのニュースリリースから 2015年になると、研究開発は新しい段階に入る。 同年10月26日に、FLOSFIAがオン抵抗が炭化ケイ素よりも低いショットキーバリアダイオード SBD を試作したと発表する。 そして同年11月には、酸化ガリウムを専門とする国際学会 IWGO がはじめて開催される。 しかも記念すべき第1回の開催地は、酸化ガリウム研究の重要拠点である京都大学だった。 酸化ガリウムの研究開発コミュニティにおける日本の地位の高さがうかがえる。 2016年9月28日には、p型層の研究成果が出てきた。 具体的には逆回復時間が市販の炭化ケイ素 SBDよりも短いこと、熱抵抗が市販の炭化ケイ素 SBDに近いことを確かめた。 エピタキシャルウェハが供給されたことで日本はもちろんのこと、世界中で酸化ガリウムのデバイス開発が加速された。 同じ9月12日には、イタリアのパルマ大学で第2回の酸化ガリウム専門国際会議「IWGO 2017」がはじまった。 2015年の第1回に続き、隔年で世界中の酸化ガリウム研究者が一堂に会した。 公式と非公式の両方で研究者同士の情報交換が進んだ。 世界中で酸化ガリウムの研究事例が増加中 2019年8月には、第3回の酸化ガリウム専門国際会議「IWGO 2019」が米国のオハイオ州立大学で開催された。 第1回~第3回のプログラムから発表件数 口頭講演とポスター発表の合計 を調べると第1回 2015年、京都大学 が99件 講演37件、ポスター54件 、第2回 2017年、イタリアのパルマ大学 が144件 講演43件、ポスター101件 、第3回が123件 講演51件、ポスター72件 となっている。 IWGOは口頭講演セッションを1つに制限しているので、3日間開催だと講演による発表数は50件前後が限界になる。 それでも第1回に比べると、全体の発表件数は増加傾向にある。 またパワーデバイスに関連する口頭講演にしぼると、第1回が5件、第2回が6件、第3回が8件となり、じょじょに増加していることがわかる。 IWGO 酸化ガリウム国際ワークショップ におけるパワーデバイス関連のおもな発表機関と発表概要 さらに続き。 第3回IWGOのプログラムから筆者が抜粋した。 なお第3回のプログラム 公式サイトに掲載されているもの はポスター発表の発表機関が記述されていなかったので、ここには含まれていない 上記のスライドにまとめた第1回から第3回までのパワーデバイス関連の発表を地域別に見ていくと、米国が12. 5件、日本が11. 5件、欧州が3件、日本を除くアジア地域が2件となっている。 発表件数では米国がトップ、わずかな差で日本が続く。 米国では窒化ガリウム 窒化ガリウム のデバイスを研究していた機関が、相次いで研究テーマを酸化ガリウムのデバイスに変更しているという風聞がある。 この風聞を裏付けるようなデータだ。 世界的に見ても、酸化ガリウムに関する研究論文の数は指数関数的に増加してきた。 とくに2010年代後半は、過去のトレンドを上回る勢いで研究論文が急増しつつある。

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