かくれんぼ なんか し て ない で まだ だ よって。 かくれんぼ(2)

かくれんぼの時の注意点6つ!安全な遊び方を心がけましょう!

かくれんぼ なんか し て ない で まだ だ よって

*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。 記事:山田あゆみ(ライティング・ゼミ 日曜コース) 「何でもできる人っているんだね」 クラスメイトがつぶやいた。 私は大きくうなずいた。 「何でもできる人」に出会ったのは、高校生の頃のことだった。 同級生だった彼女は、まず勉強ができた。 成績は校内トップクラスだった。 運動も得意だった。 球技大会でも、体育の授業でも大活躍だった。 そして絵が上手だった。 深みのある色使いで、美しい油絵を描いていた。 歌も上手だった。 カラオケでは、裏声も綺麗に操る。 歌える歌の範囲も幅広かった。 手先も器用だった。 編み物なんかも得意で、可愛らしい人形を編んだ。 さらには、背も高く、すらっとしていた。 そして性格も良かった。 誰からも好かれるような、まっすぐで嘘のない人だった。 次元が違うとは、こういうことなのだろうと感じていた。 この圧倒的な生まれながらの差を前にして、出てくるのは羨望の気持ちだけだった。 高校を卒業し、彼女は、一流の大学に危なげなく合格した。 誰もが憧れる場所で、新しい生活を始める彼女が、ただただ羨ましかった。 大学生になった彼女は、武道に挑戦することにしたという。 私がそれを知ったのは彼女から届いた手紙によってだった。 そして、そこにあった続きの文章に、私は、はっとさせられた。 「今は、まだ型が上手くできないんだよね」 できる人とできない人の差は、ここにあったんだ、と気付かされた。 「できない」ものに触れた時、「今は、まだできない」と言えるかどうかである。 かくれんぼと同じだ。 かくれんぼは、恐らく、子どもの頃、ほとんどの人がしたことのある、メジャーな遊びの一つだろう。 ルールは、とてもシンプルだ。 隠れる人と鬼がいて、鬼は、「もういいかい?」と隠れる人に問いかける。 隠れるみんなは、時間が足りなかったら「まーだだよ」と返す。 その意味は、今はまだ駄目だけど、もう少し待ってくれたら隠れることができるということだ。 そして隠れ終わってから、「もういいよ」と答える。 必ず「もういいよ」が返ってくることを知っているから、鬼はそれまでずっと待ち続ける。 かくれんぼの舞台が、例えば建物が極めて少ない原っぱだったり、狭すぎる家の中だったりした場合、上手に隠れる場所を見つけるのに時間がかかるのは当然だ。 見通しが良すぎる場所で、何とか陰を見つけなくてはいけない。 何度も同じ押し入れの中に隠れているのではすぐに見つかってしまう。 そんな時、より適した隠れ場所を探すために、鬼に何回「もういいかい?」と聞かれても、「まーだだよ」と返し続けた記憶がある人も多いのではないだろうか。 私たちは、目の前の課題や難問に対して「今は、まだだよ! まだできないけど、もう少し時間をくれたらできるようになると思うから、ちょっと待ってね」と何度でも言っていいのだ。 かくれんぼと同じように。 「難しすぎる」と、悲観的になるのでも、絶望するのでもなくて。 「今は、まだ無理」と、その状態を一旦受け止める。 受け止めたうえで、「でもきっと未来の私はできるようになるはず」と、思考する。 「もういいよ」といつか言う自分をイメージできたなら、「これからどんな工夫ができるか」や、「他の人はどんなアプローチをしてきたのか」ということに視点を向けられる。 行動できる。 努力もできる。 そうすることで、少しずつでも「できる」状態に近づいていける。 「何でもできる彼女」は、才能あふれる人である。 もとから頭もいいのだと思う。 生まれながらの差が全くないとは思わない。 だけど、色々なことができる状態に至るためには、やはり工夫をしていたし、努力を積み重ねていた。 そしてその姿勢の基盤が「今は、まだできない。 でも、いつかは、できるようになる」という考え方にあったのではないか、と思うのだ。 高校生の頃は、大人になったらきっと「できない」ことに苦しめられることはないだろうと思っていた。 学校から宿題を出されることはないのだし、生活はだんだんと型にはまったものになっていくだろうと考えていた。 あの頃は「できない」に四方八方を囲まれた生活が息苦しくて、辛くて、早く大人になって、この状態から抜け出したいと思っていた。 現実は、大人になればなるほど、増々できないことが増え続けている状態だ。 あれもできない、これもできない。 わからない。 知らない。 ただ、圧倒的にあの頃と違うのは、「できない」からといって、そこから逃げたいとは思わないようになったことだ。 もちろん自分ができないことを、軽々とやってのける人々に劣等感を抱くことはある。 未熟な自分に落ち込むこともある。 でも、今は「できない」と感じることは、新しい世界を開くための第一歩であることがわかっている。 世界は広くて深い。 「今は、できない」からこそ「いつか、できた」時、これまで知り得なかった景色を見ることができる。 大きな喜びを感じられる。 人生を楽しもうとすればするほど、たぶん死ぬまでずっと、「できない」ことに出会い続けることになる。 新しい世界の扉を開ければあけるほど、その先でまた見たこともないような難しい課題が出てくるのが常だ。 課題に出会う度に、かくれんぼをしようと思う。 「まーだだよ」と何度でも言おう。 きっと「もういいよ」を言うその日まで、課題はちゃんと待っていてくれるはずだから。 かくれんぼの鬼みたいに辛抱強く。 *** この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。 天狼院書店「東京天狼院」 〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F 天狼院書店「福岡天狼院」 〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階 天狼院書店「京都天狼院」2017. 27 OPEN 〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5 【天狼院書店へのお問い合わせ】.

次の

【都市伝説】ひとりかくれんぼについて考察【真相】

かくれんぼ なんか し て ない で まだ だ よって

かくれんぼの注意点 楽しいかくれんぼもただただ、遊べば良い!というわけでは ありません。 遊び方によっては、上でも書いた通りに「危険な目」に 遭ってしまう可能性もあるわけです。 なので、一緒に遊ぶ保護者の方がしっかりと注意しておかなければ なりませんし、遊ぶ本人も、ちゃんと注意しなければなりません。 幼稚園だとか、小学校低学年であれば仕方がないかもしれませんが 小学校高学年であれば、もうある程度の分別はつくはずですから、 かくれんぼの危険性をしっかりと認識した上で遊ぶ必要があります。 その注意点、 基本的なことが多いですが見ていきましょう。 かくれんぼをする場所にもよりますが、危ない場所には 絶対に隠れないようにしてください。 自宅の場合はともかく、外でかくれんぼをする場合には 絶対に注意です。 例えば、車の下に隠れたりだとか、 あまりないと思いますが、廃工場の危険な装置の中に隠れたりだとか… 場合によっては、重大な大怪我を招く可能性もありますから この辺りはしっかりと注意しなくてはなりません。 上の例だと、車の下に隠れたりすれば、 最悪の場合、車の持ち主がやってきて、そのまま下に隠れている子供に 気付かずに、車が発進してしまって… なんてことも考えられるわけです。 非常に恐ろしいことですから、気を付けましょう。 出ることのできない場所や戻れない場所に隠れてはいけない、 当たり前のことですが、とても大切なことです。 まず、出れない場所…。 特定の扉などを閉めて、内側から開けなくなって しまったりだとか、 床下収納に隠れてしまって、上をふさがれてしまって (なんかギャグ系統でありそうなオチですが 汗) 出ることができなくなってしまったり… そういうことも可能性としてあり得ます。 これらにも、気を付けるようにしましょう。 また、戻れない場所、と言うのは 例えば高い場所に登ってしまったりして、 そこから降りれなくなってしまったりするケースです。 子供には良くあることですし、もしも転落したら危ないので、 その辺も注意しながら遊びましょう。 行動範囲を無制限にしていると、子供がどこまでも 行ってしまったりして、親が見つけられなくなってしまったり 友人同士での遊びの場合でも見つけられなくなってしまったり する可能性があります。 あまり遠くに行ってしまい、迷子になったことに子供自身も 気付けば、パニックを起こして走りだしたりして、 交通事故を起こしたりする可能性もあります。 何かあってからでは遅いですから、ここも、要注意ポイントの一つです。 子供たちは言われなければ気づきません。 かくれんぼに勝ちたい、勝ちたい一心でそのうち隠れる場所が エスカレートしてきて、とんでもない場所にかくれ出す可能性も。 私は接客業でしたが、一度、子供が隠れ場所を求めて お店に入ってきた(笑)ことがあります。 と、いうのも、そのままにしておくと、隠れている人間が そのまま隠れたまま、長い時間を過ごすことになってしまったり、 最悪の場合、隠れていると思っていた人が事件に 巻き込まれている可能性もあります。 と、言っても見つからないものをどうやって 見つければ…と思うと思います。 なので、見つけるためのアドバイスを書いておきます。 ・大声で呼ぶ 大声で見つからない人の名前を呼んでみましょう。 ただし「見つけ出そうとするための罠」だと思われる 可能性もありますから、 「もうこっちの負けだから出てきて欲しい」ということを ちゃんと伝えましょう。 もしも聞こえていれば出てきてくれるかもしれません。 ・電話をしてみる 相手と自分が電話を持っている場合、 自分の電話から相手の電話に連絡してみるのも一つの手段です。 ただ、かくれんぼ中、ということで もしかすると、電話に気づいても電話に出てくれない可能性もあります。 ・家に確認してみる どうしても見つからない場合、相手の家が分かるのであれば 相手の家に電話してみたり、尋ねてみたりすると良いかもしれません。 案外、かくれんぼでなかなか見つからなかったりすると、 そのまま家に帰っていたりする可能性もあります。 一度、試してみる価値はあるでしょう。 ・子供の場合 子供たちだけでかくれんぼをやっていて、誰かが見つからなく なってしまった場合、必ずそのままにせず、誰か大人に相談 するようにしてください。 ・警察に相談する どうしても、隠れていたはずの子供が見つからず、 家にも帰っていない場合、事件性も疑われますから おかしいと判断したらすぐに警察に相談することを おすすめします。 また、行方不明になった子が行きそうな場所も 探してみましょう。 …さすがに行方不明まで行くことは少ないとは思いますが、 念のため覚えておきましょう。 もしかしたらまだあなたを探している最中の可能性も ありますが、ずっと隠れているとトラブルに発展 する可能性もありますから、 何時間も発見されなかったりするようなら、 隠れるのをやめて、誰かと合流したほうが良いです。 誰も周囲に居ない場合は、連絡が取れれば連絡 したほうが良いです。 もしかしたら、心配しているかもしれませんから…。 まとめ このあたりがかくれんぼの注意点です。 基本的なことなので、大丈夫だとは思いますが、 念のため、注意しておきましょう。 せっかく楽しいかくれんぼが、思わぬトラブルに発展 してしまう可能性もあります。 かくれんぼの正しい遊び方を教えるのは子供の親の 役割です。 親が子供にちゃんと教えなければいけません。 満足に子供にかくれんぼの危険性について 教えないまま、外で子供が、友達と外でかくれんぼを するようになると、安全な遊び方が分からないまま 危険な遊び方をしてしまう可能性もあるのです。 親・子ともに、安全を心がけるようにしましょう!.

次の

【都市伝説】ひとりかくれんぼについて考察【真相】

かくれんぼ なんか し て ない で まだ だ よって

かくれんぼ 2 かくれんぼ 2 かくれんぼ開始から早10分。 ナルトが選んだ場所は、里を半分ほど見渡せる崖の近くにある大木の下だった。 岩の隙間や陰、あるいは何らかの術を使って本格的に隠れても、鬼がカカシでは意味のないこととはいえ、はたから今のナルトを見ると、とてもかくれんぼをしているようには見えない。 膝を抱え込んで小さく身体を丸めながら、ちょこんと座り込んで、ナルトはぼんやりと目の前に広がる景色を見つめていた。 聞こえてくるのは鳥の囀りや風音、揺れる木々から生まれる自然な音ばかりで、人の声など全く聞こえない。 里人たちの賑やかな声が、森の中にいるナルトのもとまで届くことはない。 里を映すナルトの眼にはいつもの輝きがなく、ギュッと握り締めている手の中には小さな時計があった。 しかし、それほど間もなくして見知った気配が近づいてきたので、崖とは反対の方にナルトは視線を向ける。 すると、数メートル先の木の枝にシカマルがいて、ナルトは無意識のうちに張り詰めていたものが解れたかのようにホッと身体の力を抜いた。 「シカマル…」 「よぉ。 隣、イイか?」 片手をヒラヒラさせながら極自然に尋ねられ、ナルトはきょとんとしながらも素直に頷く。 すると、すぐにシカマルはナルトのもとまでやって来て、言葉通り隣に腰掛けた。 そして、2人にしばしの沈黙が訪れる。 「……良い場所見つけたな。 昼寝するのに絶好。 」 「シカマル、寝る気だってば?」 「いや、めんどくせーけど一応茶店がかかってるからな。 」 ナルトの半ば呆れた声を聞き、シカマルは相変わらず面倒くさそうな雰囲気を漂わせながらも、しれっと答える。 本当は茶店など、シカマルにとってはどうでもよいことだった。 奢ってもらえるなら、それはそれで儲けものだが、シカマルは別に自ら率先して頑張るほどの魅力を感じているわけでは更々ない。 ただ、会話の進行上、ここでナルトに肯定を返して寝るわけにはいかなかっただけだ。 それでは、シカマルがわざわざナルトの前に姿を現した意味がなくなってしまう。 だが、結局シカマルなりに模索した返答は失敗に終わる。 ナルトが会話に乗ってこようとしないのだ。 再び訪れた沈黙にシカマルは、ナルトに気づかれないよう心の内で深々とため息を吐いた。 一番肝心なときに読めないなら何も意味がない。 むしろ、いない方がマシかもしれない。 プツプツと途切れる会話に焦るシカマルは、徐々に息苦しささえ感じてくる。 いつかの天気雨の日、零れんばかりの笑顔を惜しみなく向けてくれたナルトが懐かしく思ってしまう。 「んとさ、前にもあったよな。 かくれんぼしてて、一緒のとこに隠れたこと。 」 「……ああ、そういやあったな。 」 もう一度話を振るかどうか悩んでいると、思いがけずナルトの方から話しかけてきて、シカマルはしばし反応を遅らせながらもしっかりと頷く。 すると、なぜかナルトの表情がわずかに暗くなった。 「……わざとだってば?」 「あぁ?」 ナルトの言っていることがわからず、影の落ちた表情の意味もわからず、シカマルは訝しそうに聞き返す。 「だって、1回だけじゃないから。 かくれんぼするたびにシカマルは、鬼じゃなくてもオレを探しに来る。 ずっと気になってたんだってばよ。 もしかしたら、あの時のこと、まだ気にしてんのかなって…」 いつもの無邪気な笑みではなく、困ったように気の毒そうに微笑うナルトを見て、シカマルはハッとして自然と顔を顰めた。 2人の脳裏に浮かぶのは、今よりもずっとずっと幼かったあの日のこと。 まだアカデミーに通っていた頃、帰りに4人でやったかくれんぼのこと。 「なぁんでアイツだけ見つかんねーんだよ!?普通に考えたら、騒がしくて落ち着きねぇアイツが1番最初に見つかるはずだろ!?」 大分太陽が西に傾いた頃、薄暗くなってきた森の中に1つの雄叫びが上がる。 アカデミー帰りに森の近くをナルト・シカマル・チョージ・キバの4人で歩いているとき、「かくれんぼやろーぜ!」とイキナリ言い出したのはキバだった。 ナルトは快く賛成し、チョージも賛成するようにスナック菓子を食べながらコクコクと頷く。 そうして、唯一面倒だからと反対したシカマルをサラッと無視する形で押し切られたかくれんぼは、じゃんけんの結果言いだしっぺのキバが鬼になった。 やけに気合いが入っていたキバは、始まってからそれほど時間をかけずにアッサリシカマルとチョージを見つけて得意気になる。 そこまではよかったのだが、最後の一人であるナルトが探すも探すも一向に見つからないのだ。 ついさっきまでは意地になって探していたキバもとうとう白旗を振り、じわりじわりと溜め込んでいた鬱憤を後ろからついて来るシカマルとチョージにぶつける。 そんなキバを見て、シカマルとチョージはしばし顔を見合わせ、もう一度キバに視線を戻した。 「単にオマエの探し方がヘタなんじゃねーの?」 「キバ、イライラしてて気配バレバレだしね。 それじゃ、ナルトも気づいて別なトコに逃げちゃうよ。 」 「んだとッ!?だったら捕まったテメーらはどうなんだよ!」 「あーウルせぇめんどくせぇ。 さっさと見つけて帰りてぇ。 」 「でもホントにナルト、ドコにいるんだろうね。 」 キバをフォローしてやるつもりなどないのか、シカマルもチョージも遠慮のない言葉を吐き、その後もマイペースに会話を続ける。 そしてそれは、キバの鬱憤を更に煽ることになった。 「知るかっつの!あーもーいっそのこと帰ろーぜ!」 キバは怒鳴りつけるようにそう言って、かまわず森の入り口へと向かって歩き出す。 これには流石のシカマルもチョージも慌ててキバを引き止めた。 「あぁ?何言い出すんだイキナリ。 テメーが帰ったら誰がナルト見つけんだよ。 」 「だってよ、こんだけ探しても見つからないなんて変だろ? 実はナルトのヤツ、隠れるフリしてとっくに帰ってるかもしれねーじゃん。 」 キバの言葉にシカマルはますます顔を顰める。 「ホントに帰ってなかったらどーすんだよ?」 「そん時はそん時。 ダーイジョブだって、オマエらだって感じないだろ?ナルトの気配。 やっぱり帰ったんだよ。 アイツ、根っからのイタズラ好きだし。 どーせ、オレらに必死に探させて、からかおうとしてるだけだって。 」 妙に自信たっぷりに言い切るキバにシカマルとチョージはまた顔を見合わせる。 それからしばらく3人の言い合いは続いた。 だが結局、3人ともナルトの気配を感じ取れなかったため、多少の疑問は残っていたものの、キバの言う通りナルトは帰ってしまったんだと納得して、夕暮れの中それぞれの帰路についたのだった。 それから数時間後、火種がやってくるまで、シカマルは家でのんきに茶をすすっていた。 だが、突然の来客によって、事態は急変する。 「悪かったな、こんな時間帯に。 」 苦笑しながらシカマルに謝るのは、アカデミーの担任であるイルカだった。 イルカの話によると、帰りのホームルームのときに渡しそびれたプリントがあったことをついさっき気づいて、今慌てて生徒全員の家を回っている最中なのだそうだ。 急ぎの物ならまだしも、シカマルが受け取ったときにパッと見た感じでは、とてもそうは見えなかった。 それなのにわざわざ勤務が終わってから、一人一人の家に届けに回るイルカの生真面目さにシカマルは感心を通り越して呆れた。 それでも、それがイルカの良さなので、シカマルは顔には出さずにただ礼を言うだけにとどまる。 すると、ニッコリ笑っていたイルカが、何か思い出したように口を開いた。 「あっ、ところでシカマル、ナルト知らないか?」 急に笑顔を引っ込めたイルカと、その内容にシカマルは怪訝そうな顔をする。 「……ナルト?」 「ああ、知らないならいいんだ。 ただ、さっき家に行ったら留守だったもんでな。 まぁ、ナルトのことだし、大好きな一楽にでも行ってたのかもな。 後でもう一回行ってみるよ。 」 耳に入ってきたイルカの言葉にシカマルはしばし呆然とする。 イルカから受け取ったはずのプリントは、いつの間にかスルリとシカマルの手から抜け落ちていた。 それからシカマルは、心配そうに何か話しかけていたイルカを残し、勢いよく走り出した。 そんなにあわてて……てか、そんな顔して、どうしたってば?」 八方塞ですっかり途方に暮れ、シカマルは力なくその場にしゃがみ込んでいた。 欠片ほどでも余裕があったなら、シカマルは最初からイルカと一緒に来ていただろうし、今からでも急いで戻ってイルカに訳を話し、ここに連れて来ていただろう。 だが、それはあくまで余裕を持ち合わせていればの話である。 今のシカマルは、自分の失態と無力さを噛み締めることだけでいっぱいだった。 そんな時、不意に自分以外の気配と共に声が聞こえてきて、反射的に顔を上げる。 「な、ると…」 果たして、今の自分がどう映っているのか、ナルトの言う『そんな顔』を想像する余裕すらなく張り詰めていたシカマルはただただ呆然とした。 だが、今目の前にいるナルトからは、特有の明るい笑みも、賑やかな声もすっかり消え去っていることに気づき、シカマルはハッと我に返る。 「ゴメン……ゴメン、ナルト…」 「シカマル?」 「わるかっ…た……こんなに遅くなって…探すの遅くなってゴメン…」 それ以上目を合わせることすらできず、シカマルはうつむいてしまった。 そんなシカマルを見て、ナルトは大きく目を見開き、それから力なく微笑う。 「へへ、オレってば隠れんの上手すぎだから。 ていうか、鬼はシカマルじゃなくて、キバだったってばよ?シカマルが謝ること、な、い…てば?」 不意にナルトの言葉が不自然に途切れ始め、訝しく思ったシカマルが恐る恐るうつむいていた顔を上げる。 そして、大きく目を見開いた。 同時にひどく胸が締め付けられるような衝撃に襲われて、シカマルは顔を顰める。 「ナルト…」 「え?あ、あれ?あれ?な、んでオレ、泣い…ッ…」 自分の意思に反して次々と零れ落ちる涙を見て、ナルトはひどく混乱する。 そして、必死に涙を止めようと両手で乱暴に目をこすりつける。 シカマルはそれを見て、更にまた心が痛んだ。 オレが今ココにいなかったら… コイツは泣くのをやめようとはしないんだろうか 衝動のままに泣けるんだろうか たぶん、違う… オレが今ココにいなかったら… コイツは泣くコトさえしなかったはず 「ナルト……やめろ…」 守ってやりたいと思った でもそれは同情とか保護欲とかじゃなくて ナルトを見つけるまでは……弱いコイツを一目見るまでは… 信じ切れてなかったコトへの罪悪感しかなかったのに シカマルは、いつまで経っても止まらない涙を必死に止めようとするナルトに互いの吐く息が届くほどギリギリまで近づくと、両手をつかんでそのまま強引に下ろさせる。 そして、涙に濡れた眼できょとんとして見上げてくるナルトの首にゆっくりと腕を絡めるようにし、それからギュッと抱きしめた。 「ゴメン、ナルト……遅くなって…」 シカマルはもう一度ナルトに謝る。 ナルトは、その声をどこか遠くに感じた。 今まで見えていたシカマルが、抱きしめられたために視界から消え去ったことで、ナルトは再び一人になったような錯覚を覚える。 冷え切った身体を自分以外の熱が包み込んでいても、その温かいものが不自然に震えていても、ナルトは自分以外誰もいなくなったように感じ、その瞳は先ほどのように焦点を失った。 「足が……動かなかったんだ…」 返事など期待していないかのようなナルトの話し方にシカマルは、ゾクッとして身体を強張らせる。 「あそこから出てってもいいのかわかんなくなって……ホントは、さ…あのままあそこにいて、みんなの前からいなくなった方がよかったの、知ってたから。 オレが出て行かなかったら、みんな喜ぶの知ってた。 オレが誰の目にもとまらないような場所で、誰にも気づかれないようにひっそりと死んでしまったら、みんな嬉しがるの知ってたから。 オレを探しに来てくれるヤツなんかいなくて。 オレを必要としてくれるヤツなんかいなくて。 オレを認めてくれるヤツなんかいなくて。 」 腕の中にいるナルトは確かにあったかいのに ナルトが何か言うたびにどんどん冷たくなっていく気がして それは、ナルトの言葉によってオレの感覚がなくなっていってるのか ホントにナルト自身がどんどん冷たくなっていってるのか わからなくて怖かった……ただただ怖かった… 「オレは……いらないんだ…ってば…」 「……ち、がう…」 耐え切れなくなってシカマルが発したのは、少しの雑音でも加われば掻き消されてしまいそうなほど弱弱しい声だった。 たまたま風も止んでいたのでナルトの耳にも届いたが、精一杯振り絞って出したつもりの否定は、簡単に捻じ伏せてしまえそうなほど頼りなかった。 こんな声では伝えたいものも伝わらない。 漠然とした恐怖が確かな形になる前に伝えなければ、もうナルトは自分の手の届かない所に行ってしまいそうな気がして、シカマルは抱きしめている腕の力を更に強めた。 そして、爪が食い込むほど強く両手を握り締める。 「そんなの、オレが喜ばねぇ嬉しがらねぇ許さねぇ……オレがオマエを探すし、オレがオマエを…必要としてる、認めてる。 オマエは、いらなくなんか、ない。 気づいたら前編の2倍近くにまでなってしまっていたので、どうしても切らなくてはならなくなってしまいました。 前編と違い、ナルトもシカマルもいっぱい出てますが、全然幸せじゃないですね 涙 しかもキバがヒドイ子になってしまってますし 結構好きなのに…涙 こ、後編までしばしお待ちを…! [PR].

次の