公正 な m&a の 在り方 に関する 指針。 公正(コウセイ)とは

株式取得の届出制度:公正取引委員会

公正 な m&a の 在り方 に関する 指針

株式会社プルータス・コンサルティング マネージング・ダイレクター 山田 昌史 1. これにより、その後の事案における焦点は、「一般に公正と認められる手続」が行われたといえるか否かに移りました。 本指針は、株式の公正な価格を巡る裁判において「一般に公正と認められる手続」の議論がなされる際にも斟酌されることが想定されます。 指針の対象となる取引 本指針では、MBOと親会社による子会社の買収がその一義的な対象とされています。 具体的には、子会社による親会社の資産の取得など、いわゆる支配株主との重要な取引等 1 東京証券取引所 企業行動規範に関する規則第12条の2に該当する場合などが考えられます。 このような場合については、本指針を参照して慎重に取引を実行することが有益と考えられます。 指針が企業価値評価実務に影響を与える点 本指針「第3章 実務上の具体的対応(公正性担保措置)」では、具体的に実務で求められる手続きが詳細に整理されています。 その中で企業価値評価実務にとりわけ影響を与えると考えられる点を、本稿では下記の5つにまとめました。 1.特別委員会の委員構成 アドバイザーの起用 2.特別委員会の交渉過程への関与 3.株式価値算定とフェアネスオピニオンの意義・機能 4.第三者評価機関の独立性 5.株式価値算定に関する開示 3. 本指針においては従前の実務とは異なり、法的な観点等から社外取締役を中心とすべきとの提言がなされています。 この点について指針では下記のように整理がなされています。 でした。 起用すべきアドバイザーについては以下のように整理されています。 特別委員会が自らの役割を適切に理解し、その役割を十分に果たす上では、 手続の公正性や企業価値評価に関する専門的知見に基づいて検討・判断することが必要となる。 特別委員会の委員自身においてはこのような専門性を十分に有していない場合も少なくないと考えられるところ、このような場合をはじめとして、 特別委員会が信頼して専門的助言を求めることができる 財務アドバイザー ・ 第三者評価機関や 法務アドバイザーが存在していることが望ましい。 今後の実務においては、特別委員会自体が第三者評価機関を起用する事例も増加してくるものと考えられます。 2 特別委員会の交渉過程への関与 従前の実務においては特別委員会の役割、権限が明確化されていたわけではなかったことから、特別委員会の交渉過程への関与についての運用は曖昧であったものと認識しています。 本指針では、特別委員会が買収対価等の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与すべき旨が明記されました。 特別委員会が対象会社と買収者との間の 買収対価等の取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することが望ましい。 特別委員会が買収対価等の取引条件に関する交渉過程に関与するにあたり、委員会の判断の実効性を担保するために、取締役会の意思決定が特別委員会の判断に拘束されるようあらかじめ取締役会で決定しておく方法が提言されています。 交渉主体が明確化されるのが遅れると、交渉期間が短縮されたり、相手方の提示条件が徐々に既成事実化していくことなどにより、交渉の可能性や機会が限られてしまうことが懸念されます。 3 株式価値算定とフェアネスオピニオンの意義・機能 従前の実務においても第三者評価機関による株式価値算定を取得する実務は定着しており、筆者の知る限り、特にMBOではすべての事例において同様の実務が採用されていました。 一方、フェアネスオピニオンについてはその性質についての理解度が本邦において必ずしも高くなかったと考えられ、取得するか否かは企業の判断によりさまざまであったといえます。 本指針においては、株式価値算定とフェアネスオピニオンの意義と果たすべき機能の整理がなされました。 特に、フェアネスオピニオンの意義について本邦における公表物で明確に整理されたのは、2007年に日本公認会計士協会がとりまとめた「企業価値評価ガイドライン」以来となります。 フェアネスオピニオンを発行する主体に関する要件が規範化されていないことの問題意識についても触れつつ、その要件について本邦において初めて整理がなされたのも特徴的です。 また、株式価値算定の内容が対象会社の一般株主に対して開示されることにより、一般株主が取引条件の妥当性を判断する際の重要な判断材料となるという機能も有する(視点2)。 このように、フェアネス・オピニオンは、 第三者評価機関が意見形成主体となるという点や、意見の対象が当事者間で 合意された具体的な取引条件の 対象会社の一般株主にとっての公正性であるという点において、株式価値算定書とは異なるものであり、 対象会社の価値に関するより直接的で重要性の高い参考情報となり得るため、取引条件の形成過程において構造的な利益相反の問題および情報の非対称性の問題に対応する上で より有効な機能を有し得るものと考えられる(視点1)。 そのため、対象会社の取締役会や特別委員会は、第三者評価機関を選定するに当たっては、これらの要素も考慮して検討することが望ましい。 本指針で整理された株式価値算定とフェアネスオピニオンの意義・機能、フェアネスオピニオンの発行主体としての適格性は、今後の実務においてフェアネスオピニオンの取得が検討されるにあたり、当事会社の取締役会や特別委員会の理解を助けるものになると想定されます。 4 第三者評価機関の独立性 第三者評価機関に独立性が求められることはもちろんのことですが、独立性に関する具体的な基準があるわけではないため、従前の実務ではやや曖昧に運用されていたきらいがあります。 株式価値算定やフェアネス・オピニオンが上記の機能を有するためには、これを実施する特別委員会の第三者評価機関(特別委員会が自らの第三者評価機関を選任せず、対象会社の取締役会が選任した第三者評価機関を利用する場合には当該第三者評価機関)の独立性が重要となる。 ここで記載される第三者評価機関が得る経済的利益の開示については以下のように記載されています。 」旨の記載もなされています。 5 株式価値算定に関する開示 株式価値算定がその機能を発揮するためには、その内容が十分に開示されることが重要となります。 従前においても、同様の観点から証券取引所の規程や金融商品取引法および関連諸法令が度々改正され、その都度開示の範囲が広がってきた経緯があります 本指針においては、算定に用いた資料の適切性等や検討過程に関しても、さらなる詳細な開示が求められました。 しかしながら本指針においては、財務予測の作成経緯や予測期間設定の考え方、類似会社の選定理由の開示まで求められています。 前提とした資料が不適切であれば、適切な株式価値算定結果は得られません。 本指針の意義は、用いた表面的な数値だけでなく、どのような検討過程でその数値が用いられたのかまでの開示が求められた点にあるといえます。 おわりに 本稿では、本指針が株式価値算定実務に与える影響に焦点を当てて解説を行ってきました。 本指針の公表によって従前に比べてより適切で透明性の高い算定実務で形成されていくものと期待されます。 この観点からも、本指針が実務に与える影響は大きいと考えられます。 以上 お気軽にお問い合わせ下さい。 件数は前年同期比3割増 2013年上半期に実施された株式公開買付け(以下、「TOB」という。 )の件数は40件と、前年同期の31件に比べ約3割増加した 公開買付届出書の提出日を基準に集計し... PPAにおける有形資産評価の実態 平成18年4月1日以後から適用された「企業結合に係る会計基準」(平成20年改正により企業会計基準21号「企業結合に関する会計基準」(以下、「企業結合会計基準」... 算定書を複数取得する実務は例外的なものか 公開買付け、合併、株式交換などに際しては、価格決定の公正性を担保する観点から、第三者機関による算定書を入手するのが一般的です。 近年、この算定書を複数の... 会社法下における株価を巡る裁判の増加 平成18年施行の会社法はスクイーズアウト(少数株主の締め出し)を想定した利用を前提に全部取得条項付種類株式の規定を設け、スクイーズアウトを活用できる制度に... はじめに 平成29年度上半期における公開買付けの件数は31件でした。 今年2月に「No. 83 近年における公開買付けの状況」と題して平成23年から平成28年までの6年間における公開買付け事例...

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「公正なM&Aの在り方に関する指針」を踏まえた株式価値算定結果の考慮方法 : M&A戦略と法務 : M&A情報データサイト

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これは 2015年の 20兆 1千億円、 2014年の 12兆円 4千億円、 2013年の 12兆 500億円から比べても増加傾向にあります。 そして、そのスタッフは、独占禁止法に対する基礎知識を持っておくことも重要です。 「東芝は 9日の取締役会で医療機器子会社、東芝メディカルシステムズの売却先としてキヤノンを選んだ。 キヤノン側が提示した 7000億円規模の買収額は、 事業の重複が少なく、独占禁止法の審査が容易で売却手続きが円滑に進むとみられる点を重視。 」 「東芝は米ベインキャピタル主導の日米間連合に「東芝メモリ」を売却することで契約を締結したが、国際法務に詳しい柳田国際法律事務所< >の川島佑介弁護士は、 各国の独禁法審査や合弁相手の米ウエスタンデジタル( WD)との係争といった 課題が残ると指摘した。 「 三洋買収に伴う1年間の独占禁止法審査期間を含め、三洋との融合に逡巡した期間は 3年間。 激しい電池業界で、この空白期間は長すぎた。 サムスンはこの間も増産の手を休めず、最新鋭の設備を次々に導入。 パナソニックは、競争優位をみすみす逸失したといえる。 こうした知識は、自社だけでなく、一般的なビジネスの情勢を理解するためにも役立ちます。 独占禁止法では、企業結合により、 競争が制限されたり、何らかの影響を受けているか否かを審査します。 そして、一定の取引分野における競争を実質的に制限すると判断された企業結合は、 禁止されることになります。 各国の企業結合審査には、それぞれ特徴があります。 主要地域である米国、欧州、中国のポイントをご紹介しましょう。 1-2. 米国の競争法 米国では、審査の事前届出に対して手数料が必要です。 その手数料は、次の基準で決められています。 「HR法では、現在、届出手数料の体系は、取引の結果保有することとなる議決権付株式又は資産の総額を基準として、3段階に定められています。 取引額 届出手数料 1億ドル未満 45,000ドル 1億ドル以上 5億ドル未満 125,000ドル 5億ドル以上 280,000ドル つまり、届出手数料を決めるには、 届出の時点で取引金額を正確に決定しておかなければならないため、厳密な準備をしておく必要があります。 参考) EUがGoogleに制裁金3000億円 独占禁止法違反で過去最高額(ハフィストンポスト) EU競争法では、合併等企業結合における届出義務の違反に対して、次のような制裁基準が規定されています。 「欧州委員会は、当事者が届出に当たり、故意又は過失により不正確又は虚偽の資料を提供した場合等には、 当事者の年間総売上高の1%以下の制裁金を課すことができる。 また、欧州委員会は、当事者が故意又は過失により届出を怠った場合、又は欧州委員会の決定に反する企業結合を実施した場合等は、 当事者の年間売上高の10%以下の制裁金を課すことができる。 (企業結合規則 14条)」 制裁金は企業の年間売上高に対して課されるため、グローバルに事業活動をしている大企業では、予想外の巨額な制裁金になることがあるので、届け出の際には慎重さが欠かせません。 1-4. 中国の独占禁止法 中国では、審査期間と結論の予測が困難なので、注意が必要です。 例えば前述の東芝メモリの件で、国際企業法務に詳しい芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士は、中国の独占禁止法審査について、次のようにコメントしています。 「中国での独禁法審査は初期審査( 30日)に続いて本審査( 90日)を実施。 延長可能な期間を含めると最長で約180日かかるのが通例で、さらに伸びたケースもある。 牧野弁護士は、『中国では自国の産業保護を考慮した政策的判断が影響して、結論がどう出るかは読みづらい』と話す」 参考) 東芝を待ち受ける超難関の「中国独禁法審査」(WEDGE Infinity) 中国独占禁止法(公正取引委員会) 独占禁止法の審査は 各国単位で、それぞれの法律に基づき行われるため、どのぐらいの期間がかかるかを予想するのは 非常に難しいのが実情です。 そのため、各国の独占禁止法審査に時間がかかったと思われます。 日本の事例をご紹介します。 2-1. 事前届出の義務 200億円超の会社が50億円超の会社を吸収合併する場合など、 売買規模の大きさにより、公正取引委員会に事前届出を行う必要があります。 届出が受理された後、 30日を経過するまでは、取引が実行できないので、注意してください。 なお具体的な基準は、公正取引委員会から発表されている「 企業結合に関する独占禁止法の運用指針」(「企業結合ガイドライン」)をご参照ください。 2-2. 審査対象の判断 最初に、 企業結合審査の対象となるか否かが判断されます。 株式保有、役員の兼任、合併、分割などの類型ごとに検討されます。 「企業結合ガイドライン」には、以下の事例が例示されています。 さらに、欧州委員会からも警告を受けています。 これらの警告は、いずれも、事前届出のルールの順守に対する内容です。 事前届出は法律で定められたルールを守る必要があります。 公取による異例の注意 キヤノンによる東芝メディカルシステムズの株式取得は一体何が問題だったのか? (BUSINESS LAWYERS) 欧州委、キヤノンに警告 東芝メディカルの買収で(産経ニュース) 2-3. 審査基準のポイント 日本の場合、審査対象となった場合、次のような要素から総合的に判断されます。 商品の範囲、地理的範囲などに需要者からみて代替性があるか• 競争を実質的に制限するとは考えられない水準(セーフハーバー)の指標に該当するか否か• 競争を実質的に制限していないか否か• 実質的に制限している場合、問題を解消する措置をしているか否か など 詳細は、「企業結合審査のフローチャート」(「企業結合ガイドラインP39」)をご参照ください。 他社事例のケーススタディー 「 」で、交渉において事前準備が重要であることをご紹介しました。 公正取引委員会のサイトには、いろいろな基礎知識を学習するためのマニュアルが公開されています。 独占禁止法のeラーニングを活用すれば、学習の進捗や学習内容の理解度を確認することができます。 特に、独占禁止法は、具体的な事例から考えないと判断が難しい法律であり、事例から学ぶ方法の有効性が高い法分野でもあります。 具体的な事例から、どのような場合がOKであり、どのような場合がNGであるかを学び、そのプロセスを通じて、企業結合審査に対する判断基準を理解します。 例えば、前述のキヤノンと東芝メディカルの件について、ご紹介した「主な企業結合事例」(事例10、P83-91、公正取引委員会)に詳しく紹介されています。 この中で、事例の概要から、本件が競争に与える影響をどのような考え方で審査し、最終的に競争を実質的に制限することにはならないと判断したかを学ぶことができます。 このような事例を用いた具体的な学習方法をご紹介します。 ・Step 1:事実関係のマップ化 複数メンバーのグループ(1グループ5名程度が適数)で、事例10について、「主な企業結合事例」に掲載されている情報を読み、 当事者と相関関係をマップ化します。 マップ化は、交渉の事前準備に用いられる効果的な方法ですが、事例を理解するためにも有効です。 次のマップは、大企業とベンチャー企業が事業提携を目指して契約交渉するシーンの全体像をマップ化したサンプルです。 事例10についても、このようなマップを作成し、事例に記載されている商品や数値などを記載することにより、 全体像を俯瞰することができます。 253 , 図13:本ケースの交渉シーン」を元に編集部で作成 ・Step 2:論点の議論 次に、 論点を決めて議論します。 例えば、公正取引委員会による「平成28年度における主要な企業結合事例」の事例10では、「第3 本件行為が競争に与える影響」において、水平的企業結合と垂直型企業結合に分けて、競争制限に該当するか否かを検討した内容が記載されています。 この議論は、結論を出すことが目的ではなく、 多面的な可能性を検討し、企業結合審査の基準を理解するための議論です。 ・Step 3:論点の整理 最後に、この事例から 得られた教訓を整理します。 また、弁護士など独占禁止法の専門家に参加してもらい、疑問に思ったことを質問したり、自社の事例に活かすための教訓について、コメントをもらったり方法も有効です。 この教育方法は、独占禁止法の基礎知識を通じて、何が問題となるのか、なぜ問題となるのかの 判断基準を学べます。 企業結合のような実務知識の学習においても、 基礎知識をeラーニングで学習し、その後、具体的な事例を議論するケーススタディーによる学習が有効です。 eラーニング教材: ビジネスに必要な独占禁止法の基礎知識を身につける この記事にあるように、独占禁止法に違反すると、会社の信用が失墜しブランドそのものに計り知れない損害を与えてしまいます。 コンプライアンス経営を実現するためには、独禁法リスクを正しく理解することが不可欠です。 本教材では、ビジネスで必要となる独占禁止法の基本的な考え方や概念を学習し、ケーススタディでわかりやすく実務的な知識を身につけることができます。 本教材をeラーニングとして配信することで、効率的に「独占禁止法」の社員教育をすることが可能です。 まとめ 独占禁止法は、公正で自由な競争を目指し、事業活動の基本的なルールを定めた法律です。 独占禁止法に違反すると、違反行為を止めるように命じる排除命令や課徴金納付命令が出されたり、消費者から損害賠償請求を受けたり、株主から株主代表訴訟を起されたりするなど、 企業の信用が失墜するリスクがあります。 日本では、対象となる取引を行う企業は独占禁止法の運用機関である 公正取引委員会から事前に審査を受ける必要があります。 事前審査の対象取引の場合は、審査が完了するまで、取引を開始することができません。 グローバルに事業を展開する企業同士の場合は、日本以外にも、 事業を行っている各国の審査を個別に受ける必要があります。 事業領域が重なっている場合は、審査の難易度が高くなります。 「いかに社内にコンプライアンスを浸透させるか」。 これはコンプライアンス担当の方が最も頭を悩ませることの一つではないでしょうか。 コンプライアンス違反によって倒産する企業が年間200社以上に及ぶ中、自社を守るには、社員一人ひとりがコンプライアンス行動を理解し実践できなければなりません。 そこでLightworks BLOG編集部は、大手電機メーカーで実際に行われたコンプライアンス施策をもとに、教育手法にフォーカスした無料eBookを制作。 ゲームを攻略するようにコンプライアンス教育に取り組めるよう、整理しました。 以下の内容を収録し、131ページにわたり解説しています。 社員の学習意欲を高める方法• コンプライアンスの3要素• 原因別・階層別教育の考え方• アンケートの有効活用方法• 違反事例から教材を自作する方法• 最先端の教育手法• 使える教育施策一覧• )大学院客員教授(イノベーションマネジメント研究科) 株式会社LeapOne取締役 (共同創設者) 合同会社IT教育研究所役員(共同創設者) パナソニック株式会社海外事業部門(主任)、法務部門(課長)、教育事業部門(部長)を経て独立。 大学で教育・研究を行なうと共に、企業へのアドバイス(提携、知財、交渉戦略、人材育成)とベンチャー企業の育成・支援を行なっている。 東京大学大学院非常勤講師(工学系研究科)、慶應義塾大学大学院非常勤講師(ビジネススクール)、関西大学外部評価委員会委員(大学教育再生加速プログラム) 主な著作に「法務・知財パーソンのための契約交渉のセオリー」(共著、第一法規)、「ビジュアル解説交渉学入門」、「日経文庫 知財マネジメント入門」(共著、日本経済新聞出版社)、「MOTテキスト・シリーズ 知的財産と技術経営」(共著、丸善)、「新・特許戦略ハンドブック」(共著、商事法務)などがある。

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『公正なM&Aの在り方に関する指針』の解説/長島・大野・常松法律事務所

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株式取得の届出制度 株式取得の届出制度(独占禁止法第10条第2項,第5項) 1 株式取得の届出要件 下記の要件(1)に該当する会社が下記の要件(2)に該当する会社の株式を取得しようとする場合において,下記の要件(3)に該当することとなった場合に事前の届出が必要となります。 (1) 株式を取得しようとする会社及び当該会社の属する企業結合集団(注1)に属する当該会社以外の会社等の国内売上高の合計額(以下「国内売上高合計額(注2)」という。 )が200億円を超える場合。 (2) 株式発行会社及びその子会社の国内売上高の合計額(注3)が50億円を超える場合。 ただし,合併又は分割により上記要件に該当することがある時は,「合併に関する計画届出書」等の所定の欄に当該事項を記載することにより,「株式取得に関する計画届出書」の提出は不要となります。 (注1) 「企業結合集団」とは,会社及び当該会社の子会社(注4)並びに当該会社の最終親会社(親会社(注5)であって他の会社の子会社でないものをいいます。 )及び当該最終親会社の子会社(当該会社及び当該会社の子会社を除きます。 )から成る集団をいいます。 ただし,当該会社に親会社がない場合には,当該会社が最終親会社となりますので,当該会社とその子会社から成る集団が企業結合集団となります。 (注2) 「国内売上高合計額」とは,会社の属する企業結合集団に属する会社等の国内売上高をそれぞれ合計したものをいいます。 なお,届出会社の国内売上高が存在しない場合であっても,上記(1)を満たし,届出が必要となる場合があります。 (注3) 「株式発行会社及びその子会社の国内売上高の合計額」とは,株式発行会社及びその子会社(以下「株式発行会社等」といいます。 )の国内売上高をそれぞれ合計したものをいいます。 株式発行会社の国内売上高が存在しない場合であっても,上記(2)を満たし,届出が必要となる場合があります。 (注4) 「子会社」とは,会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該他の会社等をいいます。 (注5) 「親会社」とは,会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該会社をいいます。 2 組合による株式取得 会社の子会社である組合の組合員が組合財産として株式発行会社の株式を取得をしようとする場合については,上記1の要件(1)に該当する「株式を取得しようとする会社」を「株式を取得しようとする組合の親会社(注)」としてください。 (注) 「組合の親会社」とは,会社が組合(民法組合,投資事業有限責任組合,有限責任事業組合等)の財務及び事業の方針の決定を支配している場合における当該会社をいいます。 組合の財務及び事業の方針の決定を支配している場合とは,組合の業務執行を決定する権限の全体に対する自己(その子会社を含みます。 )の計算において所有している業務執行を決定する権限の割合が100分の50を超えている場合等をいいます。 3 届出に必要な書類 (1) 株式取得に関する計画届出書 (2) 添付書類(昭和28年公正取引委員会規則第1号第2条の6第2項に掲げる書類) ア 株式の取得に関する契約書の写又は意思決定を証するに足りる書類 イ 届出会社の最近一事業年度の事業報告,貸借対照表及び損益計算書 ウ 株式の取得に関し株主総会の決議又は総社員の同意があったときには,その決議又は同意の記録の写 エ 届出会社の属する企業結合集団の最終親会社により作成された有価証券報告書その他当該届出会社が属する企業結合集団の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なもの 以上,届出書とア~エの添付書類を緑色のA4判紙ファイルにつづって提出してください(穴を開けてつづるタイプのファイルの場合,届出書や添付書類は穴を開けてつづっていただいて結構です。 4 記載要領について 株式取得に関する計画届出書の提出に当たっては,以下の記載要領を参考にしてください。 届出後の手続(独占禁止法第10条第8項,第9項) 1 株式取得の禁止期間及び同期間の短縮 会社は,株式取得の届出受理の日から30日を経過するまでは,株式取得をしてはならないことになっています。 一方,公正取引委員会は,その必要があると認める場合には,30日間の株式取得の禁止期間を短縮することができることになっています。 当事会社から株式取得禁止期間の短縮の申出があった場合,公正取引委員会は以下の2つの要件を満たすときは,株式取得禁止期間を短縮することとしています。 1 当該事案が独占禁止法上問題がないことが明らかな場合 2 株式取得禁止期間を短縮することについて届出会社が書面で申し出た場合 2 審査期間 届出受理後,株式取得の禁止期間内に,審査に必要な報告,情報又は資料の提出を求めた場合には,届出受理後120日を経過した日と公正取引委員会が提出を要請した追加報告等を受理した日から90日を経過した日のいずれか遅い日までの期間に排除措置命令を行わない旨の通知をするか,排除措置命令前の通知(意見聴取の通知)をすることとなります。 3 問題解消措置不履行の場合の手続 株式取得に関する計画の届出に当たり,当事会社が独占禁止法上の問題点を解消するなどの措置を期限内に履行しないときは,その期限の日から1年間は,公正取引委員会は排除措置命令の手続を開始できることとされています。 PDF形式のファイルを開くには、Adobe Reader(旧Adobe Acrobat Reader)が必要です。 お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。

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